新藤 亜希はメイドである。深い意味はない。メイドの恰好をしているからそう周りに思われている。が、別に本人はメイドに教示はこだわりなどは皆無である。ならば、何故メイドの恰好をしているのか? 梓は前に疑問に思い、その理由を尋ねたことがある。そして、その答え曰はく、 「メイド服が好きで着たいだけ」 とのことである。だったら、メイド喫茶で働けばという話であるが、新藤 亜希は恰好が好きなだけで、メイドにこだわりや教示はない。よって、メイド喫茶では、サービスの一環のメイドのイメージでやらされることが、恥ずかしくてやりたくないらしい。よって、メイドの恰好はしたいがメイド喫茶では働かないということらしい。新藤 亜希はそんな感じで、別にこのカフェのユニフォームとか仕事着で、仕事の時にメイド服に着替えているのではなく、私服もメイド服の勇者の変わった女の子である。メイド喫茶のサービスは恥ずかしいのに私服でメイド服を着て、そこら辺を歩き回るのは気にしない。そんな変わった女の子である。 「やっぱり、メイ道は一日にしてならずだよね‼」 とか、常連客のオタクが言って頭をはたかれていたが、とりあえず、可愛いから許す。梓はそう思っている。それは他の常連客も一緒なのと、カフェに仕事用の制服がなく、オーナー兼店長も大雑把で、 「本人がいいんならいいんじゃね?」 とのことなので、他のバイトは普通の恰好なのに一人だけメイドがいるという変な店が爆誕している。常連客の一人が、そんな感じで変だからこそ、このカフェ隠れた名店だよね? とか言っていて同意する常連客ばかりなので、店員もだが客層も含めて、結構、カオスな店である。 だが、そのカオスなところが逆にいい。梓はそう思っている。だから、常連客の一人と化している。 「今日の日替わりランチセットの内容は?」 「…たんぽぽオムハヤシとサラダのセット」 梓が日替わりランチの内容を確認すると、新藤 亜希は落ち着いた声音でそう言った。
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