とあるMr.brightside?
片隅wake me up 3

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店の入り口の扉を開けるとメイドがいた。ある意味出オチ。でも、このカフェ「Your Funny Valentine」は別にメイド喫茶ではない。まったくない。とあるバイトの一人の女の子がウェイターのシフトで働いてないとき、このカフェにはメイドはまったくいない。よって、別にメイドがいるがメイド喫茶というわけではない。今日はたまたま働いている日だったようだ。当たりだ。  「…いらっしゃいませ」  店員のメイドは来客である梓を一目見ると、無感動に無愛想にそう言った。別に不機嫌とかいうわけではなく、このメイドは基本こんな感じの接客で、誰であろうが愛想はよくない。接客業として、それはどうなんだってものだが、この店のオーナー兼店長がいい意味でも悪い意味でも大雑把で雑な上、このメイドのルックスが良く、それ目当ての客も多いので、店にも客にも黙認されている。先に述べたように顔は美人で、美少女とか普通に呼ばれそうに整っている。恰好は、映画「華麗なるギャツビー」にでてきそうな、メイド服としてすぐに想像する通りのメイド服。仕事中でなかったら、基本していないが、仕事中は邪魔になるのでと髪をゴムでまとめ、ポニーテールにしている。髪は染めておらず、漆のような艶のある黒。スタイルは、女性としては高めで160センチ台後半で、スレンダー。昔、常連客の一人のオタクがオタクネタでメイドでPAD長とか言ってはたかれていたが、別に胸にPADを入れているのではなく、つつましいということだ。  「…空いてる席にどうぞ」  メイドは視線を空いてる席に動かし、そう言ってお冷を作りに厨房に歩き出した。  梓はうなずいて、窓際の空いている席に座り店内を眺めた。  …店内を眺めた感想。ザ・古き良き昭和の香りのする昔ながらの喫茶店。昭和レトロの喫茶店としてイメージする喫茶店。それをまんま現実に再現したカフェがここ、「Your Funny  Valentine」である。  「久しぶり。今日は何を頼む?」  お冷を運んできたメイド―新藤 亜希はそう言って、親しき仲なければ変化が乏しくて気づかないような、しかし、確かに柔らかな微笑を浮かべそう言った。

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