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「口裂け女がさ……」 俺は杜氏健太君と推しロリ未海さんと一緒に帰っている。二人は俺と家の方向が同じなのだ。このご時世、小学生に男が声を掛けただけで事案になる。事実、登下校の時間には赤色灯を焚いたパトカーがグルグルしている。そんな、パトカーに俺はどう映っているのだろう?小学生と一緒に歩く父兄、俺が望む一番のベストシナリオだが、こればかりは、分からない。そして、幸いなことに俺はランドセルと黄色い帽子は免除を受けているので、普通の通行人を装うことは出来る。最初の懸案、三月の頃の悩み事は、あっさりクリアされた。 そして、冒頭、杜氏君は、推しロリさんと怪異譚について真剣に議論していた。今でも、その手の類は子供の興味ごとのようであって、何周廻ってもコアの部分はそれほど変化せずに俺の1周目とさほど変わっていないので話題にはついていきやすい。 「それじゃ、お疲れ様です」 杜氏君が家のある分岐に差し掛かって、俺達に別れの挨拶をすると元気よく駆けて、家の方へと消えていった。俺が、学校で帰りの挨拶に普段どうり“お疲れ様です”と、いったら、それがクラスで流行って、今はご学友の多数が別れの挨拶として採用してくれている。 「未海さん、私の出席番号の後ろの篠塚さんってどんな人なんですか?」 俺は、一緒に隣を歩く推しロリさんに情報を、校長先生からのクエストを達成するための最初の情報を求めた。 「……なんで?」 なんで?推しロリ未海さんが、俺の顔をみて、困惑の表情を浮かべた。明らかに曇った表情と顔色が悪くなってきた。 何か、聞いちゃいけなかったのか?はなっから、出だしを、出鼻をくじかれた感じだ。 「なんで? リリィちゃんの事聞くの?」 リリィさんって言うんだ。キラキラだね。 俺は一旦、引っ込めることにした。小学6年女子が下唇をかんで、俺から視線を外して俺の言葉に怯えているように見えたから、 「え? ほら、いつもいないからね、気になっちゃったんだけど……知らないなら、いいよ。ただ、気になっただけだから」 「そうなんだ……それより、佐藤さんがいつも一緒に帰ってくれるから、お母さんが安心だって言ってたよ」 「そう、それは頑張って未海さんを守らなくちゃね」 未海さん、女性を襲う奴は半数以上、顔見知りと聞くぞ、気をつけろよ。俺も、仕事柄、キャストの帰りの心配は良くしていて、店の周りをあてどなくパトロールすることもある。職業柄、ストーカー被害にあう子もいるからだ。

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