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***************  吾が、この世界に単独落下し、この世界に少しずつ馴染んでくるに従って、ただ一つ、いや、実際には人間の保有する両手両足の指を折って数えるだけでは到底数え足らない程あるかも知れないが、不思議に感じることがある。それは、この世界には『個』というものが、当然のごとく存在することだ。  この世界の宇宙と呼ばれる時空間にあるこの地球という惑星だけでも、物質で覆われた身体を持った様々な生命体が存在し、そのどれもが『個』として存在している。勿論、外見が同じようなものも存在するが、吾のような『意識体』と比べて見ると、皆が個々の意識にコーティングされた物質を保持しながら、この世界に散らばっているように思える。  だが、吾のような生命体には『個』はそもそも存在しない。すなわち、一個は全体であって、全体は一個なのである。正に、これそのものなのだ。  けれど。今の吾は、そう、吾の世界から、この世界に送り込まれた吾は、一つの『個』として、存在しているかも知れないが。                              ***************

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