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***************  吾は、今回の体験を通じて、幾つかの事柄を認識するに至った。一つは、何者かに注入されたこの容器、すなわち栗原美津江の肉体から、吾自らの意思で、抜け出せるということ。そして、その抜け出て入り込んだ相手側の意思を具現化し、そこに留まることができるということ。ただ、吾が抜けた後の栗原美津江は、吾が栗原美津江の意識を解放していない状況下においては、ちょうど、時間の流れから取り残された状態に陥るようだ。それから、そうだ。今ひとつは、この世界、すなわち、物質で成り立っている世界では、吾は吾の意思により全てのモノ、いや、これは実証不可能なので、正確を期するとすれば、今回の吾の意識した百円玉を瞬時に創り出せたということのようだ。ただし、曖昧な点も存在する。それは、どうしたら栗原美津江の肉体に戻れるのかということだ。今回の吾は、何かに引き戻された結果、栗原美津江の肉体に再び宿っていたようなのだ。                              ***************

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