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 ガチャーンと派手な音がして窓ガラスが破られた。  意識を背後に引き戻してみると、砕けたガラスの破片が道に散らばり、カップ酒のガラス瓶がアスファルトの表面に自らを解体しながら飛び跳ねると、その残骸が反対側の側溝へと落ちるのを良江は感じたのだった。 (破滅・・・・・・の私)そうした思いを強く意識した良江は、何者かに背中を押されるように、この道を前へ前へと進んで行った。すると、昼間の明るさが断ち切られ、反転するように、突如、世界が宵闇に包まれると、繁華街の雑踏の中に存在している自分自身を良江は見だした。

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