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「・・・・・希、亜希」  はっとして、小杉小夜子は両手で自分の肉付きのよい身体を弄った。 「そうだったわ。亜希はもう二十年も前に亡くなったんだったわ」  桜色のフレームの中で、嬉しそうに笑う亜希の写真を引き寄せると、小夜子はジーッとそれに見入った。すると、また涙が目尻から零れ落ちた。 (全てはあの日から・・・・・、あの初めて商品開発のチーフを任されたプレゼンが首尾よくいった日。その打ち上げの懇親会で当時の影山常務から将来を嘱望された時・・・・・、あの日から私の目には亜希の姿が映らなくなった。いえ、それどころか・・・・・)闇を見据えたような目が過去を追った。

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