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*************** (おっと、いけない)  吾の取った行動は、結果的に栗原美津江の潜在意識に刷り込まれてしまう。この真っ裸になるという行為は、申し訳ないが許して貰うとしても、自らが身につけていた下着を弄ぶという行為は矢張り道義的にも罪だろう。 (慎まなければ)と吾は感じ、自らを戒めた。  ショーツを四つ折りに畳み、それをブラジャーの横に並べて置くと、吾は栗原美津江の身体をベッドに仰向けに横たえた。 (さて、どの世界に存在する小杉小夜子がいいのだろうか)  吾は自らを栗原美津江の肉体から解放し、無限無数に広がりゆく全ての時空間に吾を滑り込ませた。なぜなら、この宇宙は単一の存在ではない。そして、またしても、この時代のある種の人間の表現を借りるならば、「コップに入れた石鹸水をストローで吹くと、小さな泡の集まりが塊となって膨れあがり、その塊がどんどん大きくなっていく。この小さな泡の一つ一つが個々の宇宙を形作り、時間の経過とともに、この一つ一つのパラレルワールドの宇宙がどんどん拡散していくことになる」ようだ・・・・・。だから吾は、このままの状態が維持された未来の、小杉小夜子が存在する全てのパラレルワールドに接触し、吾が吾の目的を達成するために必要とする小杉小夜子の意識を検索することにした。 (よし。この世界だ。ここに、吾が必要とする小杉小夜子がいる)  次に吾は、今この時、この世界の、すなわち、ベッドの上に一糸まとわず真っ裸の状態で仰向けに寝ている、いや、時間軸上から外れて固まっている栗原美津江と同じ時空軸上にその小杉小夜子の意識を取り込んだ。現在時刻は午後七時三十三分五十一秒。                             ***************

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