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「マスター、今日のランチも完売ですね」厨房との間仕切りカウンター越しに栗原美津江が一段落ついた藤村隆司に声をかけた。 「悪いね、栗原さん」 「いいですよ。だって、昨日の夜の試食会で食べたんだし。でも、美味しかったな」藤村も嬉しそうに、小鼻の横を指で掻く仕草をした。 「じゃ、栗原さん、お昼、何にする?この際、何だって作っちゃうよ」 「そうですね。それじゃ、オムライスをオーダーします」この時、厨房のキッチンシンクで洗い物をしていた鳥飼景子が、美津江の唇の動きからその意を悟ったのか、サッと手を挙げた。 「景子さんもオムライスですって、マスター」 「オーケーです」藤村は右手の指で輪っかを作ると、景子に向かって、そのOKサインを微笑みながら掲げた。 「でも、マスター・・・・・、オムライス、もう一つ追加がありそうですよ」

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