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3-2.  特に強く妊娠を望んでいたわけではないけれど、妊娠ならどんなに 良かったか! どんな病気なのか? 原因が特定できないみたいで 不安感に押し潰されそうだ。  そして不安を抱えたまま、私はなんとか眠りにつき、次に目覚めたのは 23時頃だった。  脂汗をかいてたみたいで、気持ち悪かった。  夫は珍しくまだ帰宅してなかった。  私はシャワーをしに浴室に向かった。  シャワーをし終えてリビングで水を飲んで一服しているところに ちょうど夫が帰って来た。    「ただいまぁ~」  ご機嫌な夫の挨拶があった。  「ン、お帰りなさい」  「あぁ、体調どう? 良くなった?」  私は首を横に振った。  「今日ね、病院に行ってきたの。  今回は検査しただけなのでまだ病名がはっきりしないんだぁ」  「そっか、じゃあしばらく、ゆっくりしとくといいよ。  俺のことは気にしなくていいから」  「うん、ごめんね、ンでもってありがと」  「外出してる時は外で食ってくるし、家にいる時は自分でなんか 作って食うから、心配しなくていいよ。早く良くなるといいな」  そう言って夫は私の頭を撫でてくれた。  今まで通りのやさしい夫だった。