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12-2.  町の某銀行に20年も前から毎年貯金している客に対して、あなたでは 出せないとはこれいかに?  ・・・と、その時母は閃いたという。  近隣にもうひとつ小さな支店があることを思い出したのだ。  支店が変われば、担当者(行員)が変われば、もしかして、と思ったらしい。  ビンゴ・・!  母が恐る恐る、手続きのことを聞くと普通に新しい通帳に入れなおせる とのことだった。  もちろん私の免許書も不要。  印鑑があればOKだった。  しかも、母と私の考えと同じことをその行員は語ったという。    他の銀行に移すのではありませんからぜんぜんそのようなお子さんの 委任状とか免許証はいりませんよ、と。  母は、別の支店での応対のことは一言もその人には話さなかったと 言ってた。  ややこしくなって藪蛇になるのも嫌だからと。  同じ銀行で、近隣であるにも関わらず、人が違うだけで同じことに対する 対応がこんなにも違う、という経験を私たちはしていた。  そしてベッドで横になって、自分の病気に何か活路はないかとうつらうつら 考えていた時にふと、思い出したのだ。  人が変われば、場所が変われば、何かが変わるかもしれないと。