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赤ライン入る ねずみ色の 寝巻着ける 妹と、しろき とこしなへに、すこし 離れて 相見あひ 寝比ぶ。 いやに暑ければ、枕上方、しろき壁つ上方につける エアコンに リモコンを向け、暖房を切らむす。 リモコンの画面、順に繰る、いづれの設定項目も エラー表示に バグりて みゆ。 かく あながちわざ しければ、妹 とがめ沙汰すべし と懸くれ、とがめず、ままに せさせたり。 妹、うずゐて、片足首を回せ、いま一方の脚の膝かがめる腿内よ のぞく、足の親指 そりて こぼるゝも いらめく、この往復運動は、股のあひに、恥づかしかべき なぐさみごとや しける、と あやしびし みはれ、げには ただ 足首を搔きける。 父と をの子ら、櫃棚なるVHSをは、あらかた 観盡くせり と、しゃがみて さぐりをるに、寝室の倉庫なる収蔵品らを 持て来まさな と提せども、いちいち往復して観べきを億劫がる。 映写機やうのものもがな、玄関側ゆ あちより こちへ 映さむに; 画面の大小を問ふべからざるに、と かぬ。 くろき ソファの上に立ち、父君の 透くる肌着の 括れ きはどき 太鼓腹に むだきつきて しまし あり。 例ならず、天井ちかき たかきところに 頭ありて、めづらかなるに、かつは、なつかしきものから、父娘の かくするを あやしく、なづままほしきに 久しく かくて うごかねば、父よ、しびれをきらし 身ほどき 去る。 カウンターに 赤リンゴら、富士めく、皮に つやなき、しろく ほほけたる 斑まで 縦に入れるが、むつれて二隊の列し あるがなかに、もとも 奥ざまなる やせて ちひさきを ほる。 厨のうちなる 母は 母とて しかすがに これを勧むれ、われ、切りて のちに食はめ、といへ、さらば 切りて奉らむ、いかさま、といふを、一口大に、のちにも、おほざふに櫛切りつつ嘰ろはむ ともふに、まめまめしう 角に切りそむ。

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