夢のかけら
第十三夜 落

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上へのボタンを押して乗ったエレベーターは、扉がしまると下降した。上への重力がかかり、足が浮く。衝撃に備え、宙にて天井に両手のひらを当てた途端、箱が横転した。 時折、扉のガラス窓から外が見える。誰も気付かない。 上昇へ変化する。 回転。 停止。 落下。 上へ横へと落ちる。 幾度目かの長い落下の中で、身体の芯がすっと冷えた。 走馬灯のように巡る記憶などはなく、ただひとつの笑顔だけが浮かぶ。 脳裏の笑顔に、一言、伝えた。

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