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地下街は蟻の巣のよう。地下通路は複雑。 しかし私は進むべき道なら知っている。 私はとあるビルを目指している。ただそこを目指して歩く。 壁に半間ほどの鉄製扉が開いていて、人がぞろぞろと通り抜けていく。 一人ずつしか通れないため列になっている。最後尾につく。 目前で扉が閉まる。閉鎖の時間とのこと。 他に目的地へ向かう通路はない。 諦めて地上へ出ようと出口を求め彷徨う。 人影が消えていく。 地下街は閑散として。 私ひとり。
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