夢のかけら
第四夜 還

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寂しげな佇まいの女は幾度も現れる。 行き合う度に私を沈め溺れさせる。 私はそれを受け入れる。苦しむことが女への礼儀と思う。 沼、草叢、砂地、人の群れ、夜の都会の箱庭──。 顔をつければ全ては水と化し忽ち溺れる。 胸の芯が息を失い押し潰される。 身の内は水で満たされ、やがて器にまで染み渡る。 この身を水に奪われる。 否。還すのだ。この身を水に還すのだ。 もとより私のものではない。 うつ伏した後頭部に女の掌を感じている。

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