夢のかけら
第十九夜 開

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ご馳走様と出がけの玄関先で口々に言う。姉夫婦、その幼い息子二人、祖父母。笑顔で見送る。外は既に宵闇。彼らは私の支払いで高級焼肉を食べに行くらしい。車の音が遠のいていく。 鍵の締まらない家。留守番のために呼ばれた私。 豪邸である。玄関の三和土で暮らせそうだ。 試しに鍵を回してみる。縦にしても横にしてもドアは開く。開くたびに外の風景は変わる。朝や昼を渡る。元の夜は巡らず、彼らは戻れない。鍵は開いているのに。

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