麻倉日記
1、母さん

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何を書こうと思った時に、まずは自己紹介かなと思った。ただ、私は自己紹介という行事がこの世で一番嫌いだ。なので、好きなものと、嫌いなもの、それだけみんなに知ってもらおうと思う。 好きなもの、と言われてまず思いつくのは家族のことだ。私は自分の家族がいたく好きである。順位なんてつけられないけれど、最初はやはり、うちの中心人物であり、私と一番関わりの深い母さんから紹介しようと思う。 結論からいこう。うちの母はちょっと、いや、かなり残念な人である。 最近、母は料理中に左手に火傷をおったのだが(私は跡にならないかととても心配した)、その傷が彼女は少年マンガの主人公のようでいたく気に入ったらしく、ことあるごとに、 「この傷に誓って・・・・・・!」 なんて台詞を吐いてくる。そう、彼女はかなり知能レベルが低い。要するに阿呆なのである。 私に向かって、 「この傷を見よ・・・・・・!」 と左腕を突き出してくるが、もうただのシミのようになった火傷跡をみて(私は跡にならなさそうで安心した)、何を思えば良いのか。それを指摘すると、彼女は一生懸命、傷をつけようと爪で押さえるので私はそれを毎度止めなければならない。 こんな阿呆な母であるが、うちの家族はみんなこの母が大好きだ。うちの家は母を中心に回っていて、母が倒れたりなんかしたら機能しなくなるのではないかと私は思う。 倒れる、と言えば、前に母に浴室から大きな声で呼ばれたことがあった。私は浴室という場所も場所なので、(怪我? なに? まさか倒れた・・・・・・!?)と急いで駆けつけたのだが、そこに居た母は目をキラキラさせながら、 「見て! 母さん写輪眼獲得した!」 と目をくるくると回してみせた。 風呂場でいったい何をやっているんだこの人は。私は脱力しながらも、母があまりに嬉しそうなので、それ、私にもできるよ。ていうか、大概の人、それ、できるよ。という事は黙っておいてあげた。

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