麻倉日記
7、父の奇行について

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こんにちは、こんばんは。どうも、麻倉です。 ついにこの季節がやってきてしまいました。 梅雨。 麻倉の最も苦手な時期です。湿度も温度も高いと心が湿気を吸ったみたいに重たくなりますよね。 そんな重たくなった皆さんの心を震わす怖い話がありますのできいてやってください。 うちの父には奇行が多い。 具体的にどんな、と言われると、前にも触れたが、ベタンダを散歩していたり、急に坂道をダッシュしてみたり、誰もいないリビングで素振りをしていたりする。 そんな父の数ある奇行の中でも一際目立つのが、独り言だ。 そんな、独り言ぐらいで。と思うかもしれない。甘い。 家に響き渡るくらいの音量で、鏡に向かって「おはようございます」と挨拶していたりする。 正直、ホラーである。実の父親でなければ、私は間違いなく関わるのをやめている。怖い。 その中でも直近で一番怖かった話をしよう。 父がトイレに入っていて、私がたまたま、廊下を横切ったとき、聞こえたのだ。 「麻倉(麻倉の本名)、がんばれ…」 蚊の鳴くような声だったが、私はしっかりと聞き取った。そして、戦慄した。 聞いたことあるだろうか。トイレで排便をしながら、娘をか細い声で応援する父親。 あれだけは本当に怖かった。私には正直もう、彼が何を考えているのか分からない。いや、幼いころから分かったことなんて、ただの一度もないのだけれど。 とにかく、怖いので、トイレの前を通る際はみんな気をつけて欲しい。ひっそりと父親に応援されている可能性がある。 私はもう眠いので寝るが、みんな、トイレの前を横切る際に注意するのは花子さんではなく、父親だ。覚えて帰ってくれ。 今年の梅雨は長いらしいが、この話を読んでくれた人が体調など崩さないように願っています。

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