100回継ぐこと<幻の16話>
15話までの設定と伏線?まとめ

作品に栞をはさむには、
ログイン または 会員登録 をする必要があります。

海に来たのは久しぶり 平日 サーファーたちがいる 砂浜にある小高い岩場が「島」 島の上でたわいのない話 クラスの噂話 進路のこと 家でのこと 肝心なことは口にできずに文字 ナミは手紙の束を保管 「文通をしよう、と言ったのは彼のほうだった。メールでも交換日記でもなく文通を選んだのは、やがて離れてしまうことを彼が知っていたかのように思える。」 何度読み返したのかわからない手紙 時に私を励まし、落ちこませたり 自分が書いた手紙のコピーを取っていた 「私の名前の書きかた、はじまりの文章、唐突な締めかた、文字全部が彼を表しているみたい 思わずほほ笑んでしまう。」 ふたりで交わした約束がある 「この約束があったおかげで歩いてこられた」 気弱で一人励ますエンド 「――きみへの願いをこめて。」 受験勉強 机の引き出し 白いレターセット 手紙でなら伝えられるような気がする 名前で呼んでほしい 僕にはたった一歳差 塾の定期テストはBプラス 凄く羨ましい ノートに書く文字より手紙は自分でも信じられないくらい綺麗な 夜+手紙=人体に影響を与えるか述べよの公式 夜に手紙を書こうとして先輩を想うとこの公式の答えを体感 センチメンタル 手紙は明日の朝読んだらきっと燃やしたくなる 伝えたいことはなるべく手紙がいい 勉強がてら筋トレで10kg増量を目指す 体力の重要性 痩せすぎ 次に先輩と会うときまでにもっとかっこよく 手紙では素直になれると書いているくせに回りくどい彼の言い回し 一歳差とはいえ女子大生と高校生との差は覆らない きみが私と同じ大学に入学するまでは下の名前では呼んであげない 本当はお互いに社会に出るまでは私の方が上だと思っている 私への手紙ではロマンチストになって欲しい センチメンタルはまるで私と君との関係が過去形みたい 私はきみに手紙を書いていると少しだけ意地が悪くなってしまう 先輩風? 私も本当は寂しい、甘えたい きみが私と同じ舞台に立つまでは見守る 私から大学受験が終わって春になったらお花見に行く誘い 私側では4月の中頃が見頃 →北の方? 事務局前の中庭の桜並木 そこかしこにカップル 浜の宮だったらすぐ噂が広まる 去年の夏に行った白浜のビーチ →地元が和歌山? 肋骨がくっきりと浮き上がった体型はビーチには似合わない ガッチリしていた方が私も安心できる 見違えたきみと再会できることを楽しみに 努力を強いるのには気が引ける 文通のお誘い 僕は文章を書くのは嫌い 記述問題は毎回空欄で出す 今からなら受験までに読解力を鍛えることも、わかりやすい文章を書けるように訓練することもできる 私は国語の先生になりたい だから今の大学を選んだ 僕も私の夢は既知 私が修正して返す 私にとってもわかりやすく教えることの練習になる 「他にも、わからないことがあったら訊いてね。私は受験戦争を無事に戦い抜けた戦士だから」 平成二十二年五月十四日 金澤 奈海 厳しく添削されてちょっと緊張 でも先輩にお手紙を書くのは楽しい 勝手に伝えたいことが浮かんでくる 今度は花丸が貰えるようなお手紙にしたいと決意 僕は十日後に迫った惑星探査機「はやぶさ」の帰還が気になっている はやぶさは一億二千万キロなんて遠いところの小惑星イトカワへ一人で行ってサンプルを持ち帰ろうとしている 「相次ぐトラブルで宇宙で迷子になってしまったのに、見つけてもらって帰ってくるなんて凄いと思いませんか?」 工学部を志望するのも悪くないかな 去年の夏のビーチで五才のアカリちゃん「ママー、ママー」ってベソかいてて先輩が優しく声をかけて一緒に探してあげるって言って海の家まで三人で手をつないで歩いた ママとはぐれて不安なアカリちゃん 励まそうとキラキラ星を歌いながら 楽しかった 僕が音を外してる 先輩とアカリちゃんすっごく笑った ちょっと傷ついた 前回の手紙以来、毎日ジョギングと腕立てと腹筋を続けている ジョギングは早起きした時は朝、たいていは夕方 すれ違う変わった人 ・くたびれた白いスニーカー ・オレンジ色の蛍光ラインが2本入った紺色ジャージ ・ぴちっと着こなすおじさん ・日没迫る橋の上「ありがとうって伝えたくて」で始まる連続テレビ小説の主題歌を、演歌調の節まわしで歌いながら歩く ・渡り切ると無言でまた走り始める ・音程はばっちりが少し羨ましい 先輩の卒業式以来1度も会っていない テスト前の強化月間でも月に2回は「島」で会っていた 今は来年の春までお預け 先輩のよく通る声、凛々しい横顔が本当に恋しい 先輩と初めて言葉を交わしたのは僕が入学して初めての文化祭 僕は1年3組 おばけ屋敷 資材調達に駆り出された帰り道で廃材置き場から身長よりも高い板を抱えよたよた歩いていたら、渡り廊下に1人取り残された その時「アナウンサーになる人はこうやって滑舌を特訓するんだよ」と中学校の職業体験で教えてもらった内容が僕の耳に飛び込んできた 声に導かれ校舎裏に回った僕 背筋をぴんと伸ばしてお腹に手を当て発声練習をする先輩 慌てて教室に戻ると「お前遅すぎ」と笑われた 先輩にばれるまで準備期間中は毎日練習を見に行った その話を後夜祭でしたら照れ隠しに「2年になったら全クラス演劇やるんだから!」と発声を指導してくれた 僕は立体感覚の良さだけを買われて大道具係 僕の覗き見がばれたきっかけの"台詞"はヒポリタの「身体は生きたまま、心が死ぬの? 心が生きたまま、身体が死ぬの? 結婚するか、それとも死ぬか」 →シェイクスピアの『夏の夜の夢』  シェイクスピアが売れっ子になりかけている時期に書いた喜劇。親により引き裂かれかけた結婚が媚薬により多数を巻き込む複雑な恋愛関係に発展し、最終的にはハッピーエンドで落ち着く物語 校舎裏 先輩が急に思い詰めた声で 僕は本当にびっくり 思わず声をかけた 台詞だと笑われた 自分の無知に顔から火が出るような思い どんな戯曲で、どういうシーンの台詞なのか、尋ねたお陰で、先輩は僕を演劇部に誘ってくれた 「そうだ、きみ、演劇部に入らない? 背が高いから、舞台映えするよ」 「僕は一生忘れない。心が動いたから」 翌年の文化祭、クラスでは大道具係 演劇部恒例の『夏の夜の夢』ではコンプレックスだった痩せてノッポなところを買われて、シーシアス 先輩は念願のヒポリタ役 ・ブロンドのウィッグ ・真っ白なドレス 振り向いてくれないヒポリタに愛を囁き続けるシーシアスはあの頃の僕そのまま ラストシーンで抱き合うとき、毎回ドキドキ 僕は今すぐにでも『島』で先輩と話したい 季節外れの海なんてロマンチックだ 佐藤 巽 いつも巽くんは、私に会いたがってくれていた こうして離れてしまうなら、もっと会っておけば良かった 私の方から彼を手放してしまった それは一生の過ちかもしれない この手紙を書いてからだいたい十五年の時が流れてそう思う 大学に入って初めての夏休み 蝉たちの鳴き声は聞こえなくなった 演劇のために台本を書いていた 「私たちはあと何通手紙を送り会えるのでしょうか?」という台詞を思いついた 私が言っても似合わない 君なら似合う 君が私に手紙を送りたいと言ってくれたこと、嬉しかった。だけど、君が遠慮しすぎて私はそれが文通の誘いとは気づかなかったわ。君はもう少し、堂々と意思を通すべき →矛盾の解消 お盆に帰った 橋で君が言っていた変わった人を見かけた 暑さで倒れて病院へ運ばれていくところ ・大事にはならなかった ・ドラマも終わる ・次に見かけたら教えて 「初めて家に招いてくれてありがとう。家族がしばらく帰ってこないからとはいえ、とても広いお屋敷に君一人で住んでいたのは驚きだった。」 君のお父様が集めている小説 ・プロに管理を任せた方がいい ・二百冊以上はある ・君一人で管理するのは大変 君が作ったりんごジャムとても美味しかった ・こっちへ送って欲しい 平成二十二年九月十日 今回は少し砂糖を控えめ 先輩が以前体重を気にしていた 僕からしたら、ちっとも太っていないから気にしなくてもいい 腕も足も華奢すぎ 佐藤 巽は先輩へのささやかな抵抗、これなら名前を読んでもらっているような気がした、これからはこの名前で通します! →矛盾の解消 佐藤っていうのは演劇部の現部長の苗字 コレクションは誰にも触らせたくない 父と僕はざっくばらんに話せる仲ではない ・受験のことも相談したことはない ・唯一の会話をするのは昔からあの本棚の前 ・あそこは我が家の聖域 母を早くに亡くした ・寂しくなったり辛くなるとあの部屋に入って、何を話すわけでもなく過ごした ・たまに母の愛読していたモンテ・クリスト伯を手にとって、しんみり あの部屋に誰かを入れたのは先輩が初めて 母に会ってもらった気がした 「重い」と思われたら嫌 僕にとって先輩は特別な人 演劇の台本を1から書き直し お盆の帰省中高校までの通学路を歩いてみた ・生徒の姿はない ・お盆だから部活も休み ・制服じゃない服を着てこの道を歩いてることにそわそわ 「君のことも考えてたよ。 ああ、ここを一緒に歩いていたのに 時間ってあっという間に過去になっちゃう」 門の前まで行って、ロッカーまで続く道の、桜の木が青々としているのを見ていたら、ふとある場面が浮かんだ これを書きたいってすぐ家に戻ってノートを開いた 君のことを考えていて思いついたから、これは君のおかげ 「あ、今ニヤニヤしてるでしょ? 直接見なくても、君の表情なんてすぐ想像できちゃうよ。」 髪を染めようと思ってる 舞台からおりた私はあまり大胆にはなれない 君は髪を染めることを嫌がりそう どんな色がいいと思う? りんごジャムの優しさを見せるのは、私だけにしてほしい 十月から後期の講義が始まり、前期よりも専門分野の講義も増えた 入学したばかりの頃よりも高校生だった頃を鮮明に思い出した レポート提出に追われているからなのか、お盆に高校までの通学路を歩いたからなのか、それともお盆に君の家にお邪魔したからか 「あの数々の小説は、いわば君の分身のようなものなのかもしれないね。」 一年前にも君とはたくさん話をしていた 手紙でもお話をしてくれて嬉しい 「重い」なんて思わない 君の家と、君の家族の形に触れられてよかった こちらではすでに樹木の葉が色を変えていて、地元よりも冬の訪れが早い 君は秋の模試の結果を受け取っている頃かな そちらも寒くなってくる頃 君のささやかな抵抗についてはもちろん気づいている 平成二十二年十月二十三日 僕は風邪を引くこともなく元気 元より体調については気を付けているつもり 受験生ですから 「でも明日のことはわかりません。先輩も体調には気を付けてください。」 →僕が病死する伏線? 先輩の手紙を読みながら窓の外を眺める こちらも葉の色が変わっている →昼間に読んでいる かなり前から変わっていたかも知れません 「気分がてらに公園へ行くと、まるで絨毯みたいに地面がふわふわしていました。茶色の絨毯です。踏むとどんどん沈んでいきます。このまま足が埋まって動けなくなるのではないかと思ってしまうほどです。上を見上げると、何枚かの葉がひらひらと僕の前に落ちてきます。それらを見ていると、気分転換のための外出がいったいなんの為だったのか、分らなくなってきました。」 →沈む、埋まる、落ちる→受験期の不安の象徴か、身動きの取れない不安か? 「色が変わるのは不思議な心地になります。怖い、にも似た感情です。それでも先輩ならば受け止めたいなと思っています。」 模試の結果は国語の成績が少しだけ上がったのみ ・あれから僕も、少しは成長できたんでしょうか。 ・焦りばかりが先立って、空回りしている気がします。 「僕より先輩に近い人がこんなにいるのだと、模試の成績が世界の広さを突きつけて来るからでしょうか。今まで意識していませんでしたが、先輩はいま開けた世界で、僕の知らない顔で、僕の知らない人と話しているんですね。」 髪色の明るい先輩は、きっと本当に素敵 表面的なことじゃない もっとずっと深い場所で変わっていってしまうものが怖い →心変わりへのおそれ? 「僕たちは、あと何通手紙を送り合えるのでしょうか」 先輩が考えた台詞を口にしてみた 格好がつかなかった 下手な道化のひとり芝居なんて、最悪の喜劇 「あの夜に、先輩との距離も少しは変わったと、そう思っていたのは僕だけなんでしょう。」 あなたは、ずるい 僕の意思を聞いているふり 結局なんでも一人で決めて 肝心なことは何も言わない あと半年どころか、何億光年の夜を超えたって、あなたはいつも一年先の世界にいる →さよならの向こう側の歌詞? 僕が先輩の隣に立っている未来が想像できない あいまいな優しさより傷ついても確かな約束を 分かってくれない 分からないふりをしつづけている 僕はいま、あなたに名前を呼んでほしい いま、どうしようもなくあなたに会いたい ごめんなさい、これじゃ八つ当たりだ。 でも、これが今の僕です。 彼の手紙に残された涙の痕をそっと指先でなぞる。 「想いの欠片があふれこぼれて、熱い雫が頬を伝った。何度読み返しても、この景色の……未来のどこにも、きみがいないから。」 「本当は分かっていた。約束はきっと、果たされないまま死んでいくのだと。」 君はどうして、巽君なのか。そう思わずにはいられない。 君らしいと言ってしまえば、それまで 街路樹の葉の色が変わるのは、確かにその終わりを思わせる こちらはもうすぐ、紅葉の見ごろになる 髪の色が変わることとは別物 「紅葉は落ちれば終わりだけど、髪の色は元に戻るわ。いや、来年また新しい葉が出てくると考えるなら同じかしら。」 君が何を言いたいのか、何を思っているのか、分からないわけじゃない でも急がないで欲しい 桜も紅葉も、盛りの期間が短いからこそ美しい でも、君との関係をそんな刹那的なものにはしたくない これまでの私の手紙や、君の家に行った時のこととかから、はっきりと言葉にしなくても、私の気持ち、分かって欲しい ずるいのかも 「ああ、私、何書いてるんだろう。でも、このまま書き続けます。君も、私の飾らない気持ちを知りたいだろうし。」 君は今、受験に向けた大切な時期 君が大学に受かれば、来年の私は君の傍にいるに違いない 名前で呼ぶのはそれから  会いたいと言ってくれるのはとてもうれしい 私もそう思ってる 君がそういう風に言えば言う程、今の私が君の勉強の邪魔をしてるんじゃないかって心配になる 心の中で祈ってる 君が合格しますように 「だから、しっかり勉強して、大学に合格して。私の為にも、ね。」 →この段階では結ばれることを望んでいるように見える 少し感情的になってしまった すぐ感情が表に出てしまう気質は直らない 私の近況 ・大学ではもうすぐ学園祭 ・学生も教授たちも心なしか、ザワザワしている ・キャンパスでは模擬店の準備が進んでいてあちこちにテント ・最近大学の演劇サークルに入った ・初めての公演が学園祭で開かれる ・私は入ったばかりだから、役はもらえなくて、照明係の助手 ・高校を卒業してからも演劇から離れられなかった ・一人暮らしの家で台本を書いている ・前にも手紙に書いた ・でも、入学したときは大学の演劇サークルには興味が持てなかった ・繁華街の小劇場 ・地元の劇団ばかりを鑑賞 「でも、演劇に触れるうちに胸に熱いものが込み上げてきて、「演じたい」って思うようになってきたの。そんな時に基礎ゼミの同級生から熱心に誘われて、サークルに入ることにしたんだ。」 巽君には来年の学園祭で、役をもらって演技をしている私を観てほしい 巽君も同じ舞台に立ってほしい 私が高3の頃の高校演劇地区大会 帰り道に私たちが交わしたあの約束 そろそろ寒くなってくる頃

応援コメント
0 / 500

コメントはまだありません