ダイアリー・ストーリー
お昼寝と雷鳴2020 /12 /4

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突然の雷雨だった。 昼寝を貪っていたところにパタパタと雨が降り出し、瞬く間に豪雨となっていた。窓から外を眺める。 雷がピカッと光ったかと思うと、3秒後にバリバリバリッてな風に遠くで雷がおちた。 筆者の肩がビクッとなった。もし自分に落ちたらと考えると怖くなった。 振り返ると、おじさんがいた。今日はうちには筆者しかいないはずだった。「こんにちは」と話しかけてみたが返事はない。おじさんは壁に向かって突っ立っていた。 そういえば、このおじさんは昨日駅のホームで私の目覚まし時計にびっくりしていたおじさんではなかろうか。 絶対そうだ。 柔和な顔つき、サンタクロースのような白い眉。間違いない。昨日の人だ。 そんな発見があった今も、ゴロゴロドッシャーンと雷は落ちる。筆者の部屋にはまた一人、また一人と知らない人がどんどん増えていった。 雷が鳴っては増え、鳴っては増えを何度も繰り返した。 外の様子を見るために窓に視線を向ける。やはり、雷鳴が轟き、窓に雨が打ちつけていた。 いつになったら止むのだろうかとぼーっと眺めていると、背中が圧迫されていることに気づいた。お、苦しいぞ。なんだなんだ、肺がぺっちゃんこになりそうだ。 がんばって首を回すと、部屋は人でいっぱいになっていた。これは面白いことになってる、と思った。 筆者の部屋には壁にへばりつく人や、天井にはりつく人、まるで押し寿司のようになっていた。満員電車でも天井にはりつく人は見たことがない。未知なる光景だった。 しばらくすると、雲の隙間から晴れ間が見え、とうとう窓から光が差し込んでくるまでになった。 すると押し寿司になった人たちは次々と窓を破り、ブルンブルンと外に吸い出されていった。空に向かって、みんな紙切れのようにピラピラ〜と天を上った。 一番最初にやってきたおじさんが満面の笑みで筆者に手をふった。 「またね」と言ってたように思う。なんだか嬉しかった。おじさんも晴れ間に向かってフワーッと吸われていった。晴れ間の向こうにはダイソンの掃除機のノズルが見えた。 おじさんに手を振りかえしていると、筆者も吸い出されそうになって、とっさに窓枠につかまって耐えた。側から見ると筆者は鯉のぼりのようだったはずだ。 全員部屋から吸い出されると、ダイソンの電源は切られた。 いそいそと部屋に戻った筆者は、ああ面白かった、これは日記に書かなければ、と思った。

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