ダイアリー・ストーリー
メリークルシミマスDeath

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リビングを恐る恐るのぞく。 どこから持ってきたのか斧を持った弟が、ケラケラと声を上げながら父親に近づいているところだった。我が弟、狂気の沙汰である。 脳裏に血塗られた景色が浮かび上がる。 これはまずいぞ、いくらお行事よく生首になってしまっても、両親がそんなことになっては……。ああ、いけないいけない、おぞましい想像をしてしまったばかりに、さっき食べたターキーやラーメンやらが込み上げてきた。 弟がこちらに気づいたのとほとんど同じタイミングで、筆者は込み上げてきて、まるで制御出来ない吐き気。 夕食のあれこれを弟めがけて噴射した。 悪鬼の弟と父親は呆然。 なにがともあれ筆者はスッキリ、しかし誠にシュールな光景である。ぷーんと吐瀉物の嫌な匂いが漂ってきたので、筆者は鼻を取り外すことに、こういう時は便利です。 ゲロまみれになった弟は、当たり前のように激怒し、さっきよりも悪鬼増し増し、ニンニク増し増しの姿で筆者に近づいてきた。 筆者いいことを思いついた。 斧を掲げた弟から逃げ惑いながら、部屋からあるものをとりだした。 そう、あれだ。 寝坊するために沢山買っておいたネズミ返し。それを父親と弟の間に投げ込んだ。もちろんサブマリン投法で。 それを踏んだ弟「うぎゃっ」と声を上げてうずくまった。 いまだっ!と父親に指さす。「飛びかかるのですっ」と合図したつもりだったが、躊躇しているようだ。 多分ゲロまみれだからでしょう。そこでふと目に入ったのは筆者が葬ったはずの、かつての交換日記が目に入った。 なぜ、こんなところに! 筆者、それをつかみあげ、弟のゲロを黒歴史交換日記で一心不乱に拭いた。一石二鳥、これで全てなかったことになる。 そのあと、夜が明けるまでガムテープで弟を縛っておこうと思ったが、見当たらない。 筆者、またまたいいことを思いつく、ぴーんと閃いた。 筆者は、寝坊するために買っておいたゴキブリホイホイを広げて、弟を床に貼り付け、ゴキブリホイホイを駆使して床と弟を接着させることに成功した。 これでもう大丈夫でしょう。 背中越しにビリビリ、バタバタという音が聞こえるが、いやはや、大変な夜であった。だがしかし、もう心配あるまい。あとは夜が明けるまで待つのみ。 みなさんも捧げ物と赤い服を忘れずに、じゃないとこんなことになりますよ。 メリークリスマス。

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