ゆりかごのうさぎたち
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新人作家 ステキユーザー
SF 全48話 完結済み 第2回ステキブンゲイ大賞応募作
ゆりかごという孤児院しかない断崖島でナナは育った。ここには約百三十人の子どもと、先生などの管理者しか人はいなくて、あとは放し飼いにされたたくさんのうさぎだけ。子どもたちは共同生活を営み、学び、そしてうさぎへ餌をまく。七歳になるとうさぎを捕獲し屠殺する。そうして子どもたちはいのちを学ぶ。 そんな奇妙な授業を受ける子どもたちは、各々が個別のタイミングで通知を受け、陸へ出てゆき、〝新しい生活〟を送る。それまではゆりかごで暮らし、勉学に励み、いずれは下の子たちの世話や勉強をみてやったり、調理の補助に就いたり、絵が上手な子にかんしては才能を磨いたり……ひとりひとり個性に見合った役割が与えられ、穏やかな日々を過ごしてゆく。十七歳のナナはそのひとりで、彼女は幼児たちのお世話係に就く。 ある日、同い年のルームメイトであるマリアに通知が来た。彼女は七日後にゆりかごを出てゆく。子どもたちは陸について何も知らないが、強い憧れをいだいていた。マリアも例外ではない。ナナはそんなマリアを見るのが嫌だった。うらやましいわけじゃない。ナナだけは陸での〝新しい生活〟に不安をいだいていた。はっきりとした理由はないが、心がもやもやとうずくのだ。 (この先、通知が来たとき、わたしはマリアみたいに喜べない……) 隔離・監視・管理された孤島。うさぎを用いた生死の学習。知らされない謎多き陸と〝新しい生活〟。異質な環境で暮らす子どもたちは、それぞれ夢を描いたり、恋をしたり、未来をキラキラした目で見つめて幸せに暮らしていますが、物語が進むにつれてナナが抱える心の【もやもや(真実)】が少しずつ明かされてゆきます。切ないSFヒューマンドラマです。 *2021/10/26 本編を加筆改稿しました。

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