まずはフライパンに少々のオリーブオイルをたらし、火にかける。そして、そこに事前にみじん切りしたニンニクを投入し、じっくりと火を通す。 フツフツと泡がニンニクから出て、ゆっくりとニンニクの食欲をそそる香りが立ちのぼる。その香りを合図に、亜希は事前に切っておいて準備していた具材を手にとる。まずは薄切りにしておいた玉ねぎを投入。じゅっ、といい音をたてて玉ねぎが炒められていく。 店ではBGMで流されているJAZZがかかっている。有名JAZZピアニストのソロが鳴り響いている。そして、亜希はその音のリズムに乗り、塩をふり玉ねぎを炒めていく。しっかりと火を通して飴色にする。そして、飴色になった玉ねぎに軽く醤油を振り、炒めていく。店内に醤油の焦げた食欲をそそる香りが立ちのぼる。 ある程度炒めたら、順番に具材を投下。まいたけ、牛肉、トマトの順にいれて炒めていく。店内には、じゅうじゅうという音と、炒められた食材の食欲をそそる香りが立ちのぼっていく。 そして、全体がなじんだら、酒と醤油を少々投下。そして、亜希は味噌を水に溶いてフライパンに加えて、ゆっくりと火を通し、じっくりと煮込んでいく。 「えっ、ハッシュドビーフに味噌入れるの?」 思わず、楓は質問する。その楓の質問を聴きながら、亜希は真剣に料理に取り込みながら返答する。 「うん。まあ、騙されたと思って待ってて」 そう言って、フライパンにをゆっくりとゆすって火を通しておく。 少し、不安になって店長の伸二を見る。店長の伸二はは笑いながら、亜希を手伝ってセットのランチのサラダを準備しながら言う。 「まあ、騙されたと思って食べてみてよ」 JAZZをBGMにゆったりとした時間が流れる。そうしていると、他の客が来店し、店長に日替わりのパスタを注文する。今日の日替わりパスタはミートソースだ。 店長の伸二はオーダーの入ったパスタの準備に取り掛かる。 「じゃあ、亜希。しっかり頼む」 「はい」 そう言葉少なに亜希はいって、調理中のフライパンを見つめている。そんなメイドの様子に伸二は苦笑しながら湯をはった大鍋にスパゲッティを投入。茹でていく。 JAZZをBGMにゆったりとした時間が流れていく。そして、後からきたオーダーのパスタセットが出されてから、しばらく、具材を炒め始めてから約15分くらい。完成。 事前にサラダなどがセットされたトレイに、亜希がごはんが置かれた丸皿に完成したハッシュドビーフを回しかけ準備完了。 満面の笑みを浮かべながら、メイドがカウンター越しに料理を提供し、いう。 「お待たせしました。ランチのハッシュドビーフセットです!」 食欲をそそる香りとセットに湯気が立ちのぼっている。楓は、軽く唾を飲み、トレイに乗せられているスプーンを手にとった。 「いただきます!」
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