葡萄
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純文学 全1話 完結済み
酒が嫌いだった。私にはわからなかった。酒を呑むと両親の態度が変るのが。普段は言わないことを言う母や父の言動が不思議で堪らなかった。酒は呑まないと心に決めていた。決めていたのだ。それでも一度憧れた憧憬は、憎しみのように私を蝕んで、幼い頃の決めごとは、まるで風のように消えていく。

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