死神たちのリバ☆ゲーム
ピュア・ホワイト・ナイチンゲール①

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 モニターには、合格者の受験番号が表示されていた。何度かブラウザのリロードボタンを押してみたが、自分の番号が載っていないことに変わりはない。  ひゅぅぅぅぅぅ~  マンガでもあるまいし、窓を閉め切った部屋の中にオノマトペを伴った風が吹くわけはないのだが、なぜか俺の頬に冷たく乾いた空気が吹き付ける。 「はは……ははは……」  こういう時は、笑いしか出てこないらしい。  公務員一本に絞ったのが裏目に出てしまった。就活など全くしていない。  自信はあった。試験も上手くいった。なのになぜ。  どうする、いや、どうしようもない。  どうなる、いや、どうにもならない、俺、大学四年生。   「はははは……」  乾いた笑いが部屋に響く。  これが俺の人生か。俺は何のためにここにいるんだろう。  昨日、付き合っていた彼女に振られた。そんなに頻繁には会えなかったが、らぶらぶな関係だった、と思う。  もてたことはなかったが、なぜかその子は積極的に俺にアプローチをしてきて、そして始まった付き合いだった。 『あなたとは、価値観が違ったのよ』  彼女はそういうと、逃げるように立ち去って行った。それきり、電話もメールもないし、できない。  なにも試験の『不合格』発表の前日に振らなくてもいいだろうに。  そう思うのだが、もしかしたら彼女の心の中ではもっと前に終わっていたのかもしれない。それを俺が気付いていなかっただけで。 「昨日と今日の連続攻撃。明日はどんな攻撃をされるんだろ」  二度あることは三度ある。でも、俺はMじゃないんだ、これ以上の仕打ちはやめてくれ…… 「へぇ、キミは『受け』のほうが好きなのかな」 「受け? なんだよ、それ」 「簡単に言えば、『される方』だね」 「もう十分だ。一体何をされるんだよ」 「もちろん、『ナニ』だけど」  その『ナニ』って、何なんだよ。  そう聞こうとして、ふと気づく。  俺は今、ここで、一人暮らしをしているはずなんだが……  暫くの間、部屋に沈黙が流れる。ゆっくりとダイニングの方を振り向くと、そいつは、ダイニングチェアに座って足を組み、ティーカップを手にした状態で目を閉じていた。  髪は真っ白で、ショートボブ。その隙間からは透き通った白い肌が見えている。対照的に、身に纏った漆黒の……レースの飾りがついたゴシックシャツ。下も真っ黒な、袴?  ものの見事に白と黒、だった。  ほとんど肉のついていない細い首と腕。手に持ったティーカップを、そいつは、さも香しいといわんばかりに鼻に近づけ、そのまま口元に運ぶと、口元に満足げな笑みを浮かべた。  そして、俺のほうへと顔を向ける。  切れ長の、涼しげな、でも妖しげな目元。その真ん中にある瞳が、紅い光を放った。 「いや、そんなドヤ顔いらないから。ってか、お前、誰?」

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