楽園の果実
楽園の伝説

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 紅と黄の枝葉が茂る、樹々に守られた女神の楽園くに。  その深い深い林の奥へ、黄金きん色の角を頂いて、  一頭の白い毛を持つ鹿が、地を彩る葉を踏みしめる。  迷いなく進む青銅の蹄、黄金きんの大樹の前で止まる。  葉を透かし降る陽の光を、さも快いと仰ぎ見た。  そして今度はゆったりと、自らの前へこうべを垂れる。  白く輝くその毛並みを、女性の指が優しく撫でた。  おのが力宿す愛の実を、  たずさえ帰った人の子の、  こころ正しき行いに、  美しき主人あるじは微笑んだ。  ——完

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