湯気を辿る
2
3
ヒューマンドラマ 全21話 完結済み 第3回ステキブンゲイ大賞応募作
仕事で東京から地方都市へと転勤になった餅谷元(もちやはじめ)は、自分の歓迎会で泥酔して動けなくなっているところを同僚の飯田樹(いいだいつき)に助けられる。 畳の匂い、猫のひげ、サンルームに差し込む陽のひかり、炊き立ての白米と味噌汁の湯気。初めて訪れたはずの同僚の家で元は妙な心地よさを覚え、樹の家へ入り浸るようになる。 違う土地で重なることなく生きていたはずの二人は、同じ食卓に着くとずっと昔からの知り合いみたいにどんな話しも尽きなかった。 子どもの頃の自分に言ってあげたかった言葉、忘れたい記憶の中に埋めていたもの、流した涙の味を食卓で分け合うことで元は自分の人生と初めて向き合うことになる。

作品をフォローするには、
ログイン または 会員登録 をする必要があります。

目次
応援コメント
0 / 500

コメントはまだありません