柱廊のこぼれび
『 静電気 』

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途切れた糸を紡ぎたくて ほぐれた線を集めてみた 絡まりきった現状の毛糸 ひとつひとつほぐしたくて この手がはさみを握りしめてしまう 何度も何度も もう一回と修繕ループ 静止して幻影を見続けているの まだ届かない見えない足元で背伸びをせずに言う 引き留めるんだ 絡まった糸たちが このままでいようよ ここにずっといようよ 綻んだまま緩んだまま それでも離れることもなく 居心地が肯定的に首に手をかける こだまする感情の渦 ひどく胸焼けがした ありきたりな今がずっと続くと信じていた ありきたりな日常は当たり前だと感じていた 保証のない証拠も根拠のない安泰も私たちなら大丈夫だよね 心のなかでずっと反復してたんだ 新しい糸を買い足したいとか 解れることのないワイヤーにしたいとか 捨てきれずにいた糸屑丸めて すべてをひとつにしたよ 堅くなっていく思い出も ごみ箱へと投げ込んだ 後ろを向いたまま 返事をしないで振り向いて ねぇねぇ呼び掛けてみても この声はもう届かない 離してくれないんだ 酷く強固な糸たちが このままでいいよって ここはひとりじゃないんだよって 依存愛に執着して逃げ回ってたの 締め付けられた体のあとは消えることないから ありきたりな今がずっと続くと信じていた ありきたりな日常は当たり前だと感じていた 保証のない証拠も根拠のない安泰も私たちなら大丈夫だよね 心のなかでずっと反復してたんだ もう棘のように身体中に刺さって痛いよ こんなのはさみで切ったって切れない弱いな 悲鳴をあげてるのは自分の声だと幻を見たまま決めつけた 絡まってしまっていたのは私なんだ たとえ違ったとしても切らなきゃ痛いままだから 大丈夫 この線は残る いつか消えるかもしれない不安も残る このままでいたいから ここにずっといたいから 切り落としてしまおう そうすれば分かることだから 切り捨ててしまおう そうすればやり直しでしょ

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