100回継ぐこと
[023:あられ]

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 前略 受験戦争まっただ中の君へ     はつ雪が降ったから、思わずペンを執ってしまったの。君からの返事を待つつもりだったのに大人げなかったわ。  やみ雲に、雪化粧に包まれた町のことを書き連ねてみたのだけど、受験勉強の妨げはよ  くないと思ったからだいぶ削ったわ。まあ、この手紙も手短にすませるつもりだから安心してね。  アドバイス、覚えてる? 試験は明日だし復唱しておいて損はないと思うの。  いい? 夜は早めにベッドに入ってよく寝ること。そして、朝はしっかり食事をすること。  たくさん努力した君のことだから大丈夫よ。不安になることもあるかもしれないけれど、自信を持って。  いつだって、私は君のことを応援してる。遠い「島」の君へ、エールが届くといいな。  長丁場の戦いになるとは思うけれど、集中力を切らさずに頑張ってね。  追伸  センター試験の最中、答えに悩むことがあったら、視点を変えてみるのはどうかしら。  意外な気づきや発見があるかもしれない。  平成二十三年一月十三日  金澤奈海

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