100回継ぐこと
[022:ハセベアツ]

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前略 きっと今日も戦っている勇者くんへ あけましておめでとう。それから遅くなったけどメリークリスマス。 どんな年末年始を過ごしたかな。クリスマスは私のことを考えて過ごしてくれたみたいだけど。(手紙の日付、間違いじゃないでしょ?) 何となく君は、勉強で年越しっていういかにも受験生らしいことをしていそうだな。どうだろう。 いよいよあと一週間でセンター試験が始まるね。 次に君がお返事をくれるのは全て結果が出たあとなのかと思うと、何を書くか少し迷ってしまうなあ。 実はこれまで送ってきた内容は、自分でも記録しているんだ。君の送ってくれた言葉が私のどんな言葉に対して書かれたものなのか、忘れてしまうのはもったいないからね。 だから今、これまで送ってきた自分の手紙を読み返していたんだけど……、うん、特に付け足すべき言葉はないね。受験当日に向けたアドバイスは前回の手紙で書いたし。 君がどれだけ頑張ってきたかも改めて確認できた。そうそう、遅くなったけど、A判定、私も嬉しく思う! 自信を持って、どうか最終日まで無事にやり抜いてほしい。 それから、良いことには悪いことが付きまとうと言っていたけれど、それには私も同感。だって、悪いことにも良いことが付きまとうってことでしょう? つまりね、私たちの別離には、抗いようもない圧倒的な引力みたいなもので、きっと再会が待ち受けているはず。そう考えると、何だかいい気分になってこない? 君は大丈夫。 これまで見守ってきたように見守っているから、安心して最後まで頑張ってね。 あとは君の身に何も理不尽なことが起きないよう、願っているよ。 それでは、戦果の報告を待っています。 草々 平成二十三年 一月七日 ↑二十二年って書いてから横棒1本足したの、分かる? ニヤッとされたら悔しいので、自分で申告しました。  金澤奈海

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