100回継ぐこと
[028:あきやまなおこ]
二次試験は終わった! 巻き戻しは不可能! 過ぎたことにメソメソするなんて、青春の無駄使いだぞ! 本当はその場で言いたかったけど、我慢した。半年ぶりの再会なのに、ぎこちなくなるのは嫌だったし、会えて嬉しいという気持ちは本当だったし。 あの日の私はね、ルックスに似合わない君の低い声を聞くのを、とても楽しみにしていたんだ。 佐藤 巽や巽 壮太ではない、生身の声で紡がれる“君”の言葉を感じたかった。 それなのに、君のテンションの低さと話題といったら……! でも、まぁ、そうなる気持ちもわかるので、喝入れを装ったダメ出しは、これでおしまい。 次に会える日まで、まだまだ薄っぺらい身体と一緒に、豆腐どころかお麩のようなメンタルも鍛えておくように! いいね? そうそう、受験生である君からのお土産が“御守り”だったことに笑ってしまったけれど、それは、あまりにも君らしくて、可愛い過ぎたせいです。 今でも不意に、私の反応を見た君のキョトン顔を思い出して、全身がくすぐったくなるよ。 君が心身共にたくましくなるまで、この御守りにしっかり守ってもらうね。笑 ありがとう。 そして、もう手遅れかもしれないけど、君の合格のこともお願いしておきます。 さて、私たちのあの約束は無事に果たされるのだろうか!? 草々 平成二十三年三月一日 金澤奈海 _____________ 追伸 あの夜、一緒に見たあの光は、やっぱりUFOだったと思うんだ。きみはドローンだよって否定したけど。 [アダムスキー型UFO]で一度検索してみて。
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