話しかけたことに吹っ切れたのかたくさんの質問が浮かびました。 学校のこと、演劇のこと、奈海さんのこと、渋沢さんのこと。 わざと目をそらされたことに気付いたのはだいぶ後のことです。 そのままUターンして帰ればよかった…… 会場は満員でしたね。中に入れずに、人の多さにびっくりしながら帰る人もいました。 開始の遅れのお知らせが聞こえた後に、奈海さんに話しかけられましたが、あのお知らせは僕のところに来るためだったのでしょうか? そうだとしたらすみません。 数分しかお話しできなかったのもありますが、うまく噛みあわず不快な思いをさせてしまったと思います。 今まで聞いた中で一番低いトーンで、「なんで来たの?」言われたから、冷静さを失ってしまいました。 渋沢さんが来ていたこと、ちょっとでも考えれば気づけていたかもしれません。 お恥ずかしい話、頭の中を整理することでいっぱいで、途中までどんな内容だったかまったく頭に入ってなかったです。 爆発音でハッと気づいたら、冷蔵庫(タイムマシンですよね?)から奈海さんが現れるシーンでした。役者もしてるなんて思ってもいなかったです。 隣の女の子は笑いながら涙を流していました。 みんな熱狂していました。役者もスタッフも保護者も。きっと渋沢さんも。 僕は全く乗れませんでした。このジャガイモたちめって本当に思ったんです。 みんなポテトサラダにして、2人きりになりたい。 僕と奈海さんで冷蔵庫に乗って、あの頃に戻りたい。 帰り際、人ごみの中で誰かと話してる奈海さんを見かけました。 相手の顔は見えなかった、いや見れませんでした。 笑顔で話してる奈海さんの顔、忘れられません。 劇中に、セリフがありましたね。本当にそうだと思いました。 今も頭の中に浮かんでくるので、声に出してみました。文字で書いてみました。 それしかない、そう思っています。 「この負のループを終わらせないと」
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