100回継ぐこと
[047:たらはかに]

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金澤奈海さま  先月、白紙の便箋を送ってすみませんでした。先輩の事ですから色々な事を想像したかもしれません。決して意味は無いです。本当です。忘れて下さい。  そういえば昨日、初めてM-1という漫才番組を見ました。中でも銀チャリ(でしたっけ…)というコンビが好きだなぁと思って見ていたら最後に優勝してしまいました。一年、いや一生分の想いを賭けて夢を実現させようとする姿に、笑いたくて見ていたはずなのに少し泣いてしまいました。演劇もいいですが、漫才もステキですね。久しぶりに何も考えずに笑っていました。そして僕も夢に向かって頑張ろうと思いました。(漫才じゃないですよ)  そうなんです、僕には夢が出来ました。どんな夢なのかは、先輩には秘密です。意地悪ですか? でも夢って簡単に口にしてしまうと、そっと優しく包んでいる手の中からサラサラと零れ落ちそうなので、まだ秘密なんです。先輩のお芝居も夢がテーマでしたね。 ――時間は僕らを嘲笑う、狂おしい程に。だから早く、この負のループを終わらせないと。  今でもあの芝居の最後の台詞が僕の頭の中をぐるぐるとループしています。いつだって時間は傷ついた人間に優しいものだと思っていました。でもちっとも時間は優しくなんてなかったです。何にもしてくれません。ただただ時間は人間達のやり取りをお芝居でも観るように観察してるんでしょうか。  いや、もしかしたらこいつら漫才かよって笑ってるのかもしれませんね。なんでやねん!(ツッコミしてみました)  そういえば、ループで思い出しましたが「君の名は。」観ましたか? 僕はもう既に三回観ちゃいました。最初は前に一度書いたホラー好きの観月さんに誘われてなんとなく観に行ったのですが、気がつけば自分がハマってしまい、三回目は自分から誘ってました。例え運命の出会いが物語の中のフィクションだとしても、憧れちゃいますね。 では。 先輩もお元気で。 平成二十八年 十二月六日 巽壮太

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