100回継ぐこと
[011:宮内ぱむ]
ところで、先日はりんごジャムをありがとう。君の家でいただいたものも美味しかったのだけど、送ってもらったジャムはりんごの酸味が程よくて、すぐに食べ切ってしまったわ。最近ドラッグストアで糖分控えめの商品を見かけていたけれど、まさか君のジャムでそれを体験できるなんて思わなかった。私が体重を気にしていたのを覚えてくれていたんだね。でも、女性の体型に対する気遣いは、君が思う以上に難しいから気をつけて。こういう優しさを見せるのは、私だけにしてほしい。 私の近況だけど、十月から後期の講義が始まり、前期よりも専門分野の講義も増えました。入学したばかりの頃よりも高校生だった頃を鮮明に思い出してしまうのは、レポート提出に追われているからなのか、お盆に高校までの通学路を歩いたからなのか、それともお盆に君の家にお邪魔したからかな。コレクションについては、君の意思がしっかりしているのであれば、それを貫いてほしい。余計な事を言ってしまってごめんなさい。あの数々の小説は、いわば君の分身のようなものなのかもしれないね。 一年前にも君とはたくさん話をしていたはずなのに、こうして手紙でもお話をしてくれて嬉しい。「重い」なんて思わないよ。君の家と、君の家族の形に触れられてよかった。 こちらではすでに樹木の葉が色を変えていて、地元よりも冬の訪れが早いのを実感しています。 そろそろ君は秋の模試の結果を受け取っている頃かな。Bプラスよりもよい報告を待ってるよ。最近の君の手紙も、以前と比べたら修正部分が減ってきたしね。 そちらも寒くなってくる頃だと思うので、風邪をひかないように。 追伸 君のささやかな抵抗についてはもちろん気づいています 平成二十二年十月二十三日 金澤奈海
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