深地は待っていた。ここで待つことを、自ら選択した。 今日の魚座は第十位だった。『気が重いことでも、思い切った行動が吉。思い出話をするといいかも』テロップの内容を思い出して、深地は自分の頬を叩いた。 店先を箒で掃きながら、周囲の気配に気を配っていた。開店から数時間経ち、お昼休憩の時間だった。しゃがみこんで棚の下段を覗き込む。ビルの隙間や日差しをすり抜けた熱射が後頭部を焼く。鉢植えたちが根を張る土が乾き始めたところから適量の水を差していく。土が潤うと、花の花弁までがしっとりと息を吹き返すように見える。 そうやって作業しながらも、今日の深地は背中に感じる通行人の気配に集中していた。 そして。 「こんにちは」 店先に現れたのは、深地が待っていた男性だった。男性は今日も持っていた黒い日傘を畳む。 「今日もいるんだね。フルタイムで入ってくれてるんだ。感心するなあ。できれば君にはこの先も長くつづけて欲しいと思ってるんだ」 苗代は含みのある笑顔を深地に向けた。 深地は立ち上がって苗代に会釈をして、エプロンを整えた。 苗代はガラスに貼られた店名の文字の隙間を覗き込み、店内を伺う。深地にはもう興味を示していなかった。深地は、そんな苗代の横顔に向かって言った。 「あの。僕、あなたと話したいんです。二人で。僕に教えていただけませんか。有さんのこと。昔のことと、メロマヨさまのことを」 苗代はやっと深地を見て目を瞠った。深地の目、箒を握った深地の手元、そしてまた目を見ると、静かな低音で言った。 「……何故だい?」 概ね理由を予想つけて聞いている所感があった。 「有さんのことを知りたいです」 深地は包み隠さずに言った。 「部外者の君が先約を反故にさせるのは失礼だよ。きいてただろう? 今日は幸則に会いにきたんだ」 「幸則くんは今日あなたに会いたくないみたいです。有さんの手前、断らなかったみたいですけど。幸則くんの意思は無視できないんじゃないでしょうか?」 それをきいて苗代は、自分の腰に手をやった。 「……困ったな」 そしてしばらく考えてから、口を開いた。 「有ちゃんはなんて言うかな。……まあいい。駅前の〝マオン〟にしよう。君の仕事が終わるまで待ってるよ」 「僕、半休取ってあるんで、着替えたら待ち合わせしましょう」 「……そうかい。じゃあ、有ちゃんにはまた後日と言っておいてくれ」 連絡先を深地に渡して、手で「また」と示すと、苗代はその場から立ち去った。 重厚な茶の扉の取手を引くと、カランカランとベルが鳴る。純喫茶〝マオン〟に入るとすぐに、苗代がソファ席に座っているのを見つけた。深地は椅子を引くと、まず苗代に頭を下げた。 「安久深地と言います。今日は無理言ってすみません」 「私は苗代環。いや、ちょうどよかったよ。先日は失礼な態度を見せすぎた。済まないね」 苗代はしっかりと頭を下げた。そして、深地に名刺を渡す。深地も名前を知っている社名が印字されていた。深地は受け取った名刺をテーブルの横に寄せて、毅然と言った。 「そう言うことは、有さんにいってください」 「そうだね。だけどまあ、彼女はなかなかに頑固で手を焼くんだよ」 たしかにメロマヨさまが絡むと、彼女は頑なだ。 有には苗代が店先に来て、用ができたので帰ると言って立ち去ったと伝えてある。有は深地が苗代と相対して、今ここにいることを知らない。 そこに店員がやってきて、コーヒーをテーブルに置いた。 「お先に。深地くんも、好きに頼んでいいよ」 深地を名前で呼んで、メニューを差し出す。深地は軽く目を通した後、アイスティーを頼んだ。 苗代が深地より先に話し出した。 「きみが気にしてるのは、有ちゃんと私の関係、だよね? 一言では言えないんだけれど、改まって考えると、どういう関係なんだろうな……」 苗代は昔の記憶を辿るように目を細めた。その表情が妙に気になって、深地はテーブルの下で拳に力を入れた。 「あなたは幸則くんの後見人だと聞きました。幸則くんの親戚だと。有さんとは、幸則くんが有さんのところにやってきてからの知り合いなのかと思ったんですけど、子どもの頃から付き合いがあるようなことも言ってましたよね。子どもの時の様に呼んでって」 苗代さんって呼び方をやめてほしい。昔のように呼んでほしいと、苗代は有に言っていた。会話の中のやりとりにも数十年来の時を感じさせる気安さがあった。それに、有ちゃんと言う呼び名もそうだ。 「厳密に言うと後見監督人だよ。有ちゃんとは彼女が小学生六年生の時に出会った。有ちゃんとは幼馴染みたいなもの、かな。昔から知ってて気にかけてる」 「そんなに長い……んですね…」 深地が謎の敗北感を感じていると、苗代がその表情を見てニヤリとする。やはり、この人苦手だ……と、深地は心中で思う。 「有ちゃんと私は、実家の近所の公園で出会ったんだ。有ちゃんはずっと一人で遊んでて、この辺で見ない子だったから気になって話しかけた。そしたら隣町の学校に通ってることがわかった。私が学区も違うところで何してんだってきいたら、家の近くで遊んじゃいけないからって」 「遊んじゃいけないって、何故ですか……?」 疑問に思ったことをそのまま口にする。 「彼女の家は複雑でね。両親はその時すでに離婚していて、彼女はお母さんに育てられてた。シングルマザーの家だったこともあって、かなり困窮していたらしい。お母さんとの折り合いも悪かった。お母さんは人目をすごく気にする人で、彼女に友達ができて、そこから家の内情が周りに漏れることを恐れてたらしい」 「……」 有はメロマヨ教のことを除けば、普通の人だ。普段の彼女の態度から、深地は平凡な家庭にいる有の姿を勝手に想像していた。そういうものが彼女に似合っていると思っていた。メロマヨ教のことで理解されていないのかもしれないと思ったことはあったが、彼がメロマヨ教と出会ったのは中学。それ以前から彼女には抱えているものがあったのだ。メロンパンにマヨネーズをかける有を一日一個にしなさいと嗜める両親の姿は本当にただの深地の妄想だったのだ。何も、知らなかった。 「今両親二人とも絶縁状態で、生きているのか死んでいるのかもわからないようだ」 苗代はコーヒーを口に運んで、話を付け足した。そして、直後にテーブルの上に置かれたカップの中には飽和し切ったミルクがみえる。 そこにアイスティーが到着した。店員が去った後、苗代は肘をつき、指を組んだ。 「それから私が有ちゃんと遊んであげるようになった。私は最初の、彼女の逃げ場だったんだ。変化があったのは彼女が中学にあがってからだ。彼女は、逸人くん——日枝と出会った」 日枝——逸人というらしい。有の神さま。メロマヨさま。元カレ。そして多分今も、好きな人。 「日枝と出会ってから、彼女は私のところにはパタリとこなくなった。たまに会う何歳も年上のお兄さんより、クラスの不思議な男の子ってわけだ」 苗代は冗談めかして拗ねてみせる。少し意外な表情をされて、そこで深地はやっと、苗代がそこまで嫌みたらしい人間ではないのかもしれないと思った。わざと演じている感触がした。何か有に対しての言葉も露悪的なところがあったと今になって思う。 「ちなみに日枝さんって、腕には包帯巻いたりとか、眼帯してたりとかは……」 「何?」 「いえ……」 キョトンとしている苗代には聞けずに深地はそれ以上何もいえなかった。それにしても、イメージが掴めるようで掴めない。不思議な、と苗代も評したことから、言動に少し変わったところがあったのかもしれないと思った。 想像を膨らませている深地をよそに、苗代は話に戻った。 「私も日枝を紹介してもらった。彼は私の在籍していた高校を目指していて、私にも近づいてきた。彼は不可思議な言動はしても、年上の私に対してはそつがない対応だったよ。彼は私の家と小学校の学区が一緒でね。彼は私の妹とも親しくなった。塾も一緒だったんだ」 突然話題に出た妹の話に引っ掛かりを覚えたが、深地はそのまま黙って話の続きを待った。 「そしてある日、有ちゃんが、日枝が神さまになったから別れた、メロマヨ教の信者になったって言ってきたんだよ。メロマヨ教って言われてもわけわかんなくて。君も混乱したろ?」 「まあ……」 否定はできずに深地は言葉尻を濁した。 「知り合って何年か経っていたし、あまりにも突然で直ぐには理解してあげることができなかった。だからまず、日枝を問い詰めた。そしたら、有ちゃんは日枝と一緒になって不登校になってたらしいんだ。私は何も聞かされてなかった。授業をサボって、日枝の家に入り浸ってた。日枝の家はそれなりに大きくてね。ただ、両親は二人とも仕事で成功していて、家を空けることが多くて、日枝もほったらかしだったみたいだ。そんな境遇が似ていだんだろうね」 苗代は首に手を当ててため息をついた。コーヒーに口をつけて、話の核心へと話題を振る。 「そして有から日枝への依存がひどくなった。そのうちに、彼女が元々抱えてた衝動が強くなった」 「……自殺願望ですか……」 深地は胃が嫌な重みを増していくのを感じていた。 「そして彼女は自殺未遂をした。自宅でリストカットをしたんだ。それは軽症で済んだし、母親の意向で表沙汰にはならなかったけど」 「……」 「それが理由で、日枝は神さまになった、らしい。どういうことなのか、私には理解できないけど、メロマヨさまを信仰する彼女は幸福そうだった。だから私もそれでいいと思った」 言葉尻が弱くなり、苗代は視線を落とした。抑揚のない声が深地に届く。 「それでも彼女は以前として不安定だったと、思う。当時は有ちゃんと会うことも少なくなって、日枝の話を聞く方が多くなってたから憶測も入ってるんだけどね」 苗代は苦笑いして言った。そこには、苗代の後悔が滲んで見えた。 「それから彼女は日枝とも高校が離れてしまったんだ。彼が目指していた私の高校は県立の男子校だったからっていうのもあるんだけど、日枝はわざと離れたんじゃないかと私は思ってる」 「ちょっと待ってください。有さんは花屋になるのは日枝さんが背中を押してくれたって聞きました。メールをずっとくれてたって。それは、距離を置きつつ、彼女を安定させるため?」 「日枝が考えてることなんてわからない。そうかもしれないと、私も思うがね」 「なんか、それって……」 深地が言い終わる前に、苗代がひょいと軽く言った。 「それで、日枝は高校卒業と同時に私の妹と結婚したんだ」 「え!」 予想もしていなかった情報に、脳がぐわんぐわんと震えた。そして、一つの可能性が深地の頭に浮かんだ。 「えっと、それって、じゃあもしかして、幸則くんの母親が、苗代さんの妹ということですか?」 「そうだよ」 親戚というのはそこの繋がりだったのか。世間が狭いというか。 しかし、有の気持ちを考えると胸が悪くなった。 「有ちゃんと妹はほとんど面識がないんだ。有ちゃんは妹の存在は知っていたけど、私は引き合わせなかった。それでよかったのか、悪かったのかは私にはわからない。日枝も彼女には有ちゃんの存在を一言も言わずにいたようだ」 深地はアイスティーを手に取った。喉を鳴らしながら半分くらいまで一気に飲んだが、感情まで一緒に腑に落とすことは出来なかった。 「それで、由美は幸則を産んですぐに死んだんだ」 「……え。そんな……そうですか」 次から次へと明かされる事実に翻弄される。飲み飲みきれず、ご愁傷様です、という言葉が浮かんだが、今口にしていいことなのかわからずに、曖昧な感情で苗代を見た。苗代はそこから大意を読みとってくれたようでうん、と丁寧に頷いた。 「それから由美が亡くなったあとは、幸則くんが小学校に上がるまで、日枝が育てていたんだけれど、彼自身も病にかかって、余命宣告をされたんだ」 「……そんなことって」 日枝が幸則を有に託してすぐに亡くなったことは知っていた。けれど、余命宣告を受けていたからだなんて。てっきり、不慮の事故で死んだのだとばかり思っていた。ということは、有に幸則を任せたのは、自分の死期を知ったから、ということなのだろうか? そして、深地は最初に幸則を想った。彼のことについても何も知らず、深く考えていなかった。両親を無くすというのは、辛い体験だったはずだ。彼にも心の中に抱えている孤独がきっとあるのだ。 ウエイトレスが一テーブル挟んで向こうの席のカップルに注文の品を次々置いていくのと同じテンポで、事実が明らかになっていく。先ほどからカップルは自分たちの会話もそぞろに、こちらの会話に聞き耳を立てているようだった。苗代も気がついている様子だ。それでも構わずに、深地は感じていた違和感を口に出した。 「由美さんの話は有さん何も言ってなかったんですけど、知ってはいるんですよね? 幸則くんの母親が由美さんだってことは」 そういえば幸則が母親はいないと言った時、有は特に反応を示さなかった。 「ああ。後見人の手続きの時とか、どこかのタイミングで知ったと思う。何より私が関与しているしね。私は言えなかった。気付いていると思っていたからというのもあるけど。それに、言っても仕方ないと思ってね」 困ったような、諦念が覗く表情で、苗代は片方の口の端を引き上げた。 「有ちゃんは設定外の事には触れないだろう? そうやって自己防衛するしかないんだ、彼女は。本来は優秀な子なのに」 苗代はテーブルの真上くらいの空を見つめた。店内の橙の光の灯った暗めの照明が、彼の彫りの深い顔立ちをより印象付けている。苗代は続ける。 「そして、三年前だ。ちょくちょくやりとりもして顔は合わせていたけれど、久しぶりに日枝に会った。日枝は遺言書を持ってきた」 「……」 「その時半年ももたないと、診断を受けたと告げられた。遺言書には、幸則くんの後見人が指定されていたんだ」 「日枝が有さんを指名したんですね」 深地には法律のことなどよくわからない。かいつまんで言うと、未成年後見制度によって、有は幸則の財産の管理等をして、成人まで見守ることを義務付けられているそうだ。 「うん、私も同文で、後見監督人として指名されている。私は日枝を問い詰めた。なぜ有ちゃんを指名したのか。血縁でもないということも含めて、有ちゃんにわざわざ幸則の世話をさせるなんて、どういう理屈なんだって」 「何を考えてるのか……僕にはわかりません……」 深地は正直な思いを吐露していた。苗代も同意する。 「私も本質的に理解できてない。けれど、日枝は〝彼女には必要なことだ〟と言っていた。日枝は詳しいことを私には話していない」 幸則が有に必要なものは神さまだと言っていたことを思い出した。日枝と幸則の顔は似ていたのだろうか、などとふと考えた。 「でも、結果として全てを否定し切れないんだ。彼女はいなくなった日枝の代わりに幸則くんを熱心に面倒見ているし。だけど、それでも私は、彼女の状態はよくないと思ってる……今何か問題を起こしてるわけではないけど、起こした後では取り返しがつかないからね」 苗代は背を深くもたれた。 「それに、有ちゃんから日枝に対する信仰だけでなく、日枝からの支配とも受け取れると思ってる。死後も日枝は彼女を束縛している」 長年彼女を見ているから言えることなのだろうとは思った。しかし、深地は力強く言った。 「彼女は、大丈夫、だと思います。たしかに神さまが必要なものなのか、僕も疑問には思ってます。だけど、有さんは幸則くんのことを大切に思ってるし、それは彼女の意思だと思います」 苗代は深地を見た。そして、息つくように笑みをこぼすと、言った。 「君、有ちゃんのことが好きなんだね」 深地は照れて視線を外してしまったが、すぐに苗代の目を見つめ返して首肯した。 「……はい。でも、僕は彼女の邪魔をしたくないです」 「はは、健気だね。それで私を警戒してるわけか」 「そういうわけじゃないですけど」 警戒心を読まれていて狼狽える。深地はアイスティーのコップを両手で握った。手のひらとコップの隙間に入りきれなかった結露の雫が、深地の手の甲を流れる。 「僕は、有さんの、三番目になりたいって思ってるんです」 「え、三番?」 「はい。メロマヨさま、幸則くん、その次になれたらそれでいいって。有さんにはメロマヨさまを好きなままでいて欲しいって」 苗代は半笑いの口元を隠すためか、コーヒーカップを煽った。そして持ち直してから深地の話に耳を傾ける。 「ただ、でも、今の状態だと、有さんが危ういなら、僕は、僕なりに何かしてあげたくて。有さんが有さんでいられるように。そのために神さまが彼女に本当に必要なものなのか、考えたいんです」 「なるほどね」 苗代は斜め上を見上げて、右側の顎を左の手で撫でた。 「必要なものを考えてあげるって、ずいぶん空の高いところから言うんだね。まるで神さまにでもなったつもりみたいだ。そういえば有ちゃんは幸則を引き取る時に私に言ったんだ。幸則の手を取って〝私は可哀想なんかじゃない〟って」 深地は内心でどきりとした。苗代の言葉を通して、有に言われているような気がしたのだ。深地は有を憐んでいるような視点が自分の中に出来てしまったのを自覚した。苗代がそれを間接的に自分に対して諌めたのだということにも気がついた。 「それを今思い出して、自分でも今反省したよ。心配しすぎたかなって」 「はい……僕もなれもしないのに、神さま気取りになりかけてた気がします」 「ぶっちゃけちゃうとさ、俺も昔、有ちゃんのこと好きだったんだよ。流石に小学生の時からじゃないけどね。日枝と付き合い出した頃からだと思う」 「……」 急に自分を俺と言って、苗代は深地の目をじっと見た。実は深地もそうなのではないだろうかとうっすら思っていた。顔がこわばる。 「今は妻子持ちだから。そんな顔しないで」 「すみません……」 「深地くん、私は未来の君かもしれないよ」 「……」 深地はハッと顔を上げた。苗代の感情について、自分が無頓着だったと気がついた。彼は神さまに全てを奪われたと思っているのかもしれない。有さんだけでなく、由美さんのことも含めて。そして、彼は長年の自分の感情と折り合いをつけて今ここにいるのだ。しかし、そう内心で想像するに留まった。 でもそう言われても、深地は恐怖や畏怖を感じていなかった。今、目の前にいる苗代とも、幸則とも、日枝とも、そして有とも、自分は違う。 「僕はまだ、引き下がれません」 「……わかった。一応連絡先教えてくれる? そろそろでよう。何かあったら連絡してくれ」 苗代は「お代は私が持つから」と、スマートに会計を済ませた。そして、二人で店を出ると、苗代は去っていった。 苗代の背中を見送りながら、また、深地の中で有に対する感情が変化していく。 一番である必要はやはり無い。だけど、ここで怖気付くわけにはいかない。 深地は決意を胸にスマホの待受画面をチャリオットの絵柄に設定した。
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