アポロンが堕りる刻
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文豪 ステキユーザー
ノンフィクション・批評・感想 全18話 完結済み 第1回ステキブンゲイ大賞応募作第2回ステキブンゲイ大賞応募作
その刹那、人類は自らの行為に恐怖する……  戦争の世紀と呼ばれた二十世紀。そして、その世紀で繰り広げられた幾つかの戦争により、皮肉にも文明や科学などが、兵器や武器の改良を介して進歩していった。政治の力学のみならず、国家自決の植民地支配、ひいてはその発展形ともいえる帝国主義の野放図的な氾濫。そこに工学や化学の急速な進捗により、もはやワールド・スタンダードのコモンセンスはパラダイム変換してしまった。拡張する殺傷・殺戮兵器は、その物理的脅威よりも、人々に精神的、もっと具体的に述べるのならば、道徳観や倫理観にも影響を及ぼす結果となった。 特に第二次大戦中に開発され使用された「原子爆弾」。 核爆弾とも言えるそれは、今日をもってしても人類史上の最凶かつ最悪・最大の大量殺人兵器として君臨している。ただそれは単純に科学の粋の結晶の一言ですましていいものなのだろうか。人間同士の戦争を、対人間の体を消し去った、人間または軍人による戦略・作戦・戦術などの頭脳戦をも皆無にしてしまった、ある意味、人間臭い戦争の終焉になったのではないか。 本作品は世界大戦の背景で生まれた、原子爆弾の製造に関わる戦史の秘話的なエピソードと並行して、戦争の世紀における、人類が発展させた科学の功罪や、その後の歴史認識を問う。特に第二次大戦下における、各国の高官や政府、軍部首脳の駆け引きなどもそこに織り交ぜている。  さらに敷衍して、原子爆弾の仕組みは元より、クラウセヴィッツの「戦争論」などを参照して、戦争という行為の整合性や論理性などにも問題提起をしていき、大枠の意味で通常戦闘とは何か、という意義も探っている。 また、大戦中における原子爆弾製造の秘史の流れから、現在も隘路の俎上にあがっている、放射能や放射線漏れによる原発問題(原爆と原発という対立概念の側面からと)、いわゆる原発の元である核分裂反応の仕組みについても触れつつ、それらをテーマとした重層的な作りのドキュメンタリー小説として、長編的というよりかは、コンパクトな形でまとめてみた。

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