作品に栞をはさむには、
ログイン または 会員登録 をする必要があります。

結婚した私たちはこれまで以上に楽しく過ごしていた。 二人で語らう時間があったり、愛し合う時間があったり、それはそれは楽しいものだった。 しかし 「大丈夫か?どこか具合でも悪いのか?」 「気持ち悪い…」 私は突然の体調不良に襲われ旦那に付き添われてタクシーで病院に言った。 お医者様にはこう言われた。 「妊娠してますよ」 「え?!」 「妊娠?!」 気を付けていたはずだが、私は子供を身ごもってしまっていた。 まだ学生の身分。育てるための収入は二人にはない。 私たちは両家の親に説明した。 「お母さんごめんなさい」 「僕の落ち度です。すいません」 「大丈夫。家族みんなで協力して育てましょう。折角生まれてくるんだから」 「そうですよ。両家で協力し合いましょう。お金ならあるから心配しないで」 私はお腹が大きくなると大学を休学した。そして出産のための準備に入った。 そして… 「オギャアオギャア…」 我が子は生まれた。男の子だ。名前は譲(ゆずる)にした。人に譲ってあげる優しい子に育って欲しくてそう名付けた。 退院したあと体力が回復した私は我が子に付き添い世話をする日々が続いた。 「この子は私の子なのよね。なんて可愛らしいのかしら」 幸せって素晴らしい。私は今でも平凡だけど、その平凡な自分が好きになっていた。 私は夫の卓に感謝したい。彼が私を幸せにしてくれた。あの時声をかけてくれてありがとう。あの時があるから今の幸せがあるんだ。 人生って不思議だな。 夜、夫とセックスした。隣のベッドでは息子がスヤスヤ寝ている。 「あなたを愛してるわ…」 「お前は永遠に僕のものだ。いつまでも一緒にいてくれ。譲の母親でいてくれ」 私たちはきつく抱き合い、旦那は射精し、私は気持ち良さの極致を向かえた。 「ふふ…疲れたわ」 「僕もだ。もうこのまま寝よう」 その夜は素敵な夜だった。 私はまだ22歳。まだ若い。でも私には愛する夫と子供がいる。学生の頃人生は辛いなと思うときもあった。今もあったりする。でも私には家族がいる。 3人とも一緒に歳をとってこれから成長していくんだな。そう思うとウキウキしたきた。 3月が終わる。また4月が来て春が来る。私の好きな季節。 この子も春が好きなのかな?ベビーカーの彼は今日はやたらご機嫌だ。夫は6月が好きなんだって。雨は心を落ち着かせてくれるからだって。 そうかもね。私の心は安らかだ。私と息子はいつもの公園に行く事にした。そこが私も彼も落ち着けるもんね。