「で…。お前どうしたの? そのままお持ち帰り?」 「お前じゃねーからお持ち帰らんわ、タコ」 ところ変わって場所は、銀治の間借りしている1Kのアパート。朝の早朝シフトの人と入れ替わりに、コンビニバイトの深夜シフトは終了。よって、コンビニにから一直線にアパートへ帰宅。夜勤で寝ていないし、大学の講義もない日なので寝ようとしたら。すると、悪友の赤坂一樹が合コンの2次会のオールのカラオケのテンションで訪ねてきて寝れず、なんとなく駄弁ることになり、深夜告白女のことを告げると、一樹がそんなことをのたまうので…。銀治は軽く頭を押さえながらそう突っ込んだ。 外からはスズメの鳴き声がして、新聞配達の原付の音が聞こえる。深夜勤のシフトが終わって、まだ、一時間もたっていない。よって、まだ、街は目覚め始めたばかりだ。閑静な住宅街の一角にあるこのアパートの周囲は静かで、アパートの隣人もまだ目を覚ましていないのか、薄い壁越しに物音が聞こえたりはしてこない。だから、まだ、アルコールが入ってハイになっている一樹の声がよく響く。一樹はけらけらと笑った。 「おいおい、別に俺女の子だったら誰でもいいわけじゃねーぞ? 可愛くて巨乳。これマストね?」 「お前の趣味は借りたAVから知ってるから、わかるけどお前…」 「まあ、そんなことは置いといて。でもさ、お前の人生初告白じゃね? つーか、据え膳は場合によったら、いただかない方が女の子に失礼だぞ? 挙句、その子、顔ぶっちゃけ好みなんだろ? なんで断んの?」 「ああ、やっぱりその辺の価値観とか感覚はお前とは共有できんわ…」 「それ、俺も同意見!」 そう言って一樹は腹を抱えて爆笑した。だめだ、この酔っぱらい。 そう思い、また銀治は頭を抱えた。
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