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 僕の朝は、君の声で明けるのさ。  カーテンを引き、窓を全開にしたら、清々しい朝の気配を身に纏う。  と、君はまた僕に呼びかける。 「もう起きてるよ。心配しないで」  ──今朝はコーヒー?  ──紅茶?  迷いながら僕はケトルに水を入れ、火にかける。  ついでに食パンをトースターに放り込んで新聞を読む。  ついつい記事に夢中になっていると、君の声にハッとする。 「あっ、ごめんごめん。教えてくれてありがとう」  ぼくは慌てて火を止め、しばらく考えてから「今朝は紅茶にするよ」と君に笑みを向けながら決めると、ティーパックを用意してカップに湯を注ぐんだ。  こうして二人のかけがえのない一日は始まる。  食事する間だって君を見つめていたい。  四六時中も離れない。  離れたくないんだ。  「知ってるかい?」  僕がどれだけ君を思っているかって。

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