終われなかった青い春を抱いて
やりたいこと、やってみたいこと

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   *  十一月に入った。後期も三分の一が終わろうとしている。  みつるは変わらずハンドボールの授業までの時間を学生会館のロビーで過ごしているが、その日、ロビーを訪れてすぐに、学内スポーツ新聞の写真が入れ替わっていることに気付いた。  その中にはハンドボール部の写真もあって、そういえば秋リーグが終わったって言ってた、と先輩との会話を思い出す。  荷物をソファに置いて写真の前まで近付いていく。  ハンドボール部の写真は一人のアップというよりはコート半面分が写っていて、奥のベンチに友美がいるのを見つけることができた。必死で自チームのディフェンスに声を送っている。  分かる……、とみつるは思った。ベンチからディフェンスに声で指示を出す姿は、実感として分かる。もっとも、一年生である友美がそこにいるのと、自分が三年生でそこにいたのとではだいぶ意味合いというか、印象が変わってくるけれど。  もし自分が友美の隣にいたら、あるいはこのコートの中に立っていたら、ということを想像してしまって、胸が苦しくなる。息を吸って、思わず右手で左胸を押さえてしまって、誤魔化すように肩や首のあたりに手のひらを滑らせる。  やめよう、と一度俯いてから、隣の写真に視線を移すように一歩分横に動きながら顔を上げる。  ――撮影 文学部一年 小池ひかる  顔を上げた視界に、先に撮影者の名前が目に入った。  文学部一年、という文字列が馴染みあるものだったからだ。  同じ一年生か、とまた落ち込みそうになったところで、「……ひかる?」と声が出た。  そういえば名字を知らない。LINEの名前も下の名前だけ表示していた。  だけど、同じサークルの学部学年で二人も同じ名前の人がいるんだろうか。もしいないとすれば、これは、ひかるが撮影した写真ということになる。  改めて写真の方に目を向ければ、それはバスケ部の写真で、恐らくシュートを決めた後か試合が終わったときの場面、何人かが笑顔でガッツポーズやハイタッチを交わしている写真だった。いい笑顔で、いい写真だった。  本当によく撮れた写真がここに飾られるのだとひかるが言っていたのを思い出す。  いつか飾れたらいいな、と言っていたことも。 (叶えるの、早……)  ふー、と息を吐いて、ひかるの名前に驚いていたところから肩の力を抜く。  ソファの方に向かって座り、先ほどより遠くから写真たちを眺める。眩しい。  深く息を吸って、唇の隙間から息を漏らす。 「――みつる?」  少し遠くから、聞き慣れた声で呼ばれた。  声の方へ顔を向けると、そこにはまさにというか、ひかるが来ていた。サークルのメンバーなのか数人で来ていて、「友達!」と周りに一言告げてこちらへ駆け寄ってくる。みつるも立ち上がり、数歩分駆け寄る。 「そういえばいつもこの時間はここにいるって言ってたっけ?」 「うん。ねえ、それよりあれってひかるの写真?」 「わー、そう! 今日から変わったんだ、だから見に来たの」  へへ、と照れ笑って「気付いてくれたの嬉しいなあ」とひかるの腕をぱしぱしと軽く叩く。 「いつか飾られるといいねって言ってたの、あっという間に叶えちゃったねえ」 「覚えてたの? そう、そうなの、嬉しいよ」 「私も嬉しいよ」  えー、と首を傾げて照れながら、みつるの腕を今度は掴んで揺らしてくる。  そのあたりでみつると一緒に来た人たちも後ろに追いついてきたのが見えて、みつるは「ひかる、」と視線で後ろを向くよう促す。 「うん? ああ、みんな写真見るから平気だよ。ちなみに想像ついてるだろうけどサークルの人たちね」 「やっぱりそうなんだ。ていうかひかるは見なくてもいいの?」 「あ、見る見る」  サークルのメンバーに合流するかと思いきや、ひかるは片腕を掴んだままみつるを写真の前に連れて行く。 「いい写真だね」 「へへ、ありがと。なんかさー、シュートとかディフェンスとか、競技のまさにプレー中っていうより、その後の感情が出るシーンをね、撮りたくて、それがすごい上手くいった写真なんだ」 「なるほど、確かに」  ひかるはみつるを連れたまま他の写真も一通り見て、この写真はここがかっこいい、こういうの撮りたい、と一つ一つ解説をしてくれる。 「ひかる、俺たちはそろそろ戻るけど」  サークル仲間に声をかけられて、さすがにみつるもその人の方を向く。すると、みつるをまじまじと見つめたその男子が、感心した風に口を開く。 「……ひかるのちっちゃい版みたいですねえ」 「ちっちゃい……」  いや失礼でしょ、と別の女子がツッコミを入れて、ほんとだよ、とひかるが続けた。すみません、と軽く笑って謝られ、大丈夫です、と苦笑いで答える。  ツッコミを入れた人が「何の友達?」とひかるに訊ね、ひかるが「一緒にハンドボールの授業とか学部の授業受けてる子だよ」と答えると、あー、っぽいね、と頷かれた。 「学館にいるってことは何かサークル入ってるんですか?」 「いや、入ってなくて……ただ時間潰すのにここ使ってるだけです」 「あ、そうなんですね。……ひかると学部の授業受けてるってことは文学部ですよね? あのー、」 「ちょっと桃ちゃん、隙あらば勧誘しないでくださーい」  ひかるが言葉を遮り、みつるの後ろに回って肩に手を置く。今日はやたら距離が近い気がするけれど、元々パーソナルスペースが狭いんだろうか。 「うわ、みつるのサイズちょうどいい」 「サイズって言わないで」 「え、俺のこと言えないじゃん」 「いや、言えるよ」 「言えるよって」  けらけらと明るく笑う桃ちゃんと呼ばれた女子が「巻き込んでごめんね」と言いながら言葉を続ける。みつるはいやいやと首を振る。 「記者のメンバーがね、もうちょっといたらいいなーって思っておりまして」  どうかなー、って思ったのよ。 「みつる、引く手数多だねえ」  上からひかるの声が降ってくる。 「他のところからも誘われてるの?」 「みつるはね、体育会にも誘われてるんだよ。高校強かったからねえ。うちも対戦経験あるけど、ボロ負けだったもん。みつるのところの試合、私は研究で見てたの」 「えー! すごいね! でもそれなら尚更……体育会入らないならこっちでもいい記事書けそう……」  いや、と困った笑顔で手を振るみつるに、“桃ちゃん”は「あ、ごめんね。でも考えてみてくれたらめっちゃ嬉しいな」と笑顔を向けて、「ひかるも一緒に戻る?」とみつるの上へと視線を向けた。  そうしようかな、という声が上からまた降って、ずっと肩に置かれていた手が離れる。というか、肩から体温が離れて初めてずっとそこに手が置かれていたことに気付いた。 「みつる、またすぐあとでね」  隣に来て、前に向かうひかるを見上げ、「うん、じゃあね」と見送った。    * 「今日さ、みつるのディフェンス、調子よかったよね? キレキレだったよ」  体育の後の恒例になったご飯で、今日はひかるの家に来ている。先週、みつるが家に対戦した際のDVDを見つけ、せっかくだから見ようということで初めてお邪魔したのだった。試合終了後、礼に続いてチームの列ごとすれ違う形でハイタッチを交わしている約二年前の自分たちを見て不思議な気持ちになった。  大学からひかるの家までは十分ほどだ。ストックしてあった冷凍ご飯と途中のスーパーで買ってきた惣菜をひかるがレンジで温めるのを、ミニテーブルの前のソファでみつるは大人しく待つ。 「あ、調子よかったの分かった? 昨日もまた部活行ってきてね、後輩の自主練で一対一の練習手伝ったから、それで結構動けたかも」 「そりゃ静川の現役の子相手してたなら強いわ」  ピー、という温め完了の音の、ピ、くらいでひかるはレンジからご飯を取り出し、すぐに惣菜をまた温める。  みつるは立ち上がって、ひかるが差し出すご飯のタッパーを受け取り、同じように箸も受け取って二人分をミニテーブルに整列させる。その間にひかるはコップにお茶を入れて、それもみつるが受け取ってテーブルに置く。ワンルームの小さな空間で、テンポよく夕飯が揃っていく。  そうしているうちに惣菜も温まって、ピ、も言わないうちにレンジの扉を開けたひかるが「肉!」と言いながらミニテーブルの方へやってくる。買ったのはつくねの肉団子だった。申し訳程度に小さなサラダも買ってある。 「お惣菜はさー、やっぱり二人いると絶対食べきれるからいいよね」 「確かにその日中が賞味期限とか多いもんねえ」 「そうなんだよー。小さいやつは割高かなと思って見送っちゃうし。……よし、いただきます」 「いただきます」  一口食べたひかるが、うまー、と一息つく。みつるも一口食べて、おいし、と呟いた。 「つくねって絶対自分じゃ作らないや。こういう、レンコンとかもみじん切りになって入ってるのとか」 「あー、なるほど」 「みつるって実家じゃ料理作らない?」 「作らないです……」  敬語、と笑ったひかるが、そういえばね、と他愛ない話を振ってくる。二人のおしゃべりで、自分から話題を振る割合は七対三くらいでひかるからの方が多かった。 「そういえばさ、桃ちゃんが誘ってたの、困ってなかった? 大丈夫?」 「え? あー、記者にって誘ってくれた子か。全然大丈夫だったよ」  あっさり頷いたみつるに、ならよかった、とひかるも軽く頷く。頷いた後、何か迷うな顔になってから、ひかるは慎重に「全然、答えたくなかったら答えなくていいんだけどさー」という前置きをした。 「うん?」 「一番初めにサイゼ行ったときにさ、高校の部活の穴を埋められなくてふわふわしてるって、言ってたじゃん。それってなんか、みつるの中で進展あったりした?」  みつるはつくねを箸で二つに割ろうとしていた手を止めて、ひかるの方に視線を向け、割と真剣な目をしているのを見て、つくねに視線を戻して「ううん」とみつるは答えた。 「……やりたいことってさー、難しくない?」 「難しいねえ」 「ひかるはやりたいことやってるんじゃないの?」 「あー、まあ、そうだね。うーん……、でも、みんながみんなサークルとかバイトとかを『やりたいこと』としてやってるわけじゃないと思うけどな」 「……そうなのかな。まあ、そうか」  止めていた箸でつくねを二つに割って、そのうちの一つを口に運ぶ。 「みつるにとって、やりたいことって、高校のハンドみたいに頑張れること?」 「んー、そう言われると、……」  そう言われると、そうなんだろうか。  本気で、ハンドに変わるものを見つけたいと、見つけるべきだと思っているのだろうか、自分は。 「別に、高校のときみたいに一つのことを頑張るってしなくてもいいとは、思ってるかな……。そもそも勉強したいことがあって大学選んだし……」 「ふんふん」 「あれ、なんかこれお悩み相談始まってる?」 「えー? お悩み相談にしたいなら、頑張りますけど……。いや、単純に私がみつるのこと気になるだけだから、全然話さなくてもいいし、こう、口に出すとね、整理されたりするから、それ目的で話してみてもいいですし」  ひかるが箸を片手で持ったまま、もう片手を何となく握ったり開いたりと動かしながら言い訳みたいに言葉を並べるのがおかしくて、みつるは「ですし」と語尾を繰り返してふふっと笑った。もう少し食べ進めてから、「うーん、」と唸る。 「お悩み解決してもらおうとかじゃないけど、聞いてほしいのですが」 「ですがー」 「真似しないでー」 「先にやったのそっちでしょ」 「まあそうだけど。えーと、じゃなくて」  どこから話そうかな。 「えー、なんかひかるから質問したいことない?」 「えっ私が聞くの?」 「無茶振りは分かっているので……もしあれば……」  雑に振った決まり悪さを誤魔化すように、まだ少し残っているご飯を食べきる。ごちそうさまでした、と呟き、お茶を飲んで、ソファにもたれた。ひかるはとっくに食べ終わっていて、同じようにソファにもたれている。  ソファにもたれていると何だか一緒に寝転んでいるみたいだ。距離が近くて、みつるは結局上体を起こしてソファの上であぐらをかきながら体ごとひかるの方に向き直った。つられるようにひかるも上体を起こす。 「うーん、そうだな……。あ、関係ないけどさ、ハンドはどうしてやろうと思ったの? 高校のとき」 「あー、ハンドはね、小学校の頃からやりたかったんだよね」 「小学校?」 「そうそう。ドッジボールの監督がね、ハンドボール経験者で、競技はそれで知ったんだけど。ドッジボールは続けるなんて思わなかったけど、似た競技をもう一度やりたいなって思ってたから。中学は近所にハンド部なかったから陸上やってたけど」 「なるほどね」 「ひかるは?」 「あー、私は、というか私も? サッカーに似てたからかな。中学はハンド部なかったから陸上やってたけど」 「ふふ、なるほどー」  同じ流れなのが面白くて、頷きながら半笑いになる。ひかるも同じように笑って、それから、眉を下げながら遠慮がちな表情で口を開く。 「みつるはさ、体育会入らないのはどうして? って聞いてもいい?」 「えー、うん。いいよ」  みつるはあぐらから体育座りに座り直して、膝に顔を埋めながら訥々と話す。  高校自体に悔いがあること。  大学でも続けるなら、その悔いを晴らすくらいには頑張りたいこと。  でもそれにはものすごい努力が必要だろうから、きっと授業よりもバイトよりもハンドを優先しないと気が済まないだろうということ。  だけどそのために大学に入ったわけではないこと。 「まあ、もちろん、結局大学でも何かしら悔いが残ったら、ってビビるのもあるし……。あとなんか……、私の今の状態で体育会に入るのは、大学でやるべきことと向き合わずに、体育会に逃げるみたいになっちゃうんじゃないかと思って……それはそれでどうなのかなと……。大学で体育会燃え尽きたとして、その先は? 今とまた同じ状態になるのでは? みたいなー」  そんな感じ、と膝に顔を載せたまま視線だけでひかるの方を見上げれば、ひかるは泣き笑いの手前みたいなくしゃくしゃの顔をしていた。 「みつる、真面目でえらいっ」 「うわ、」  両手で頭をわしゃわしゃと撫でられる。 「はー、いっぱい考えてるんだねえ」 「そりゃそうじゃない? ていうかまだ撫でるの?」 「だめ?」 「ダメではないけど……」  よかった、と首を傾げて笑う姿が不覚にもかわいい。手のひらは頭から頬に移り、両手で顔を包まれる。 「顔ちっちゃいねえ」 「そう? ていうかあの、体育の前も思ったけど、ひかるはパーソナルスペース狭い人?」 「うーん、そうなのかな。懐くと近いって言われるかも」 「懐かれてるのか」 「みつるに対しては懐くとはちょっと違うけど」  でも少しずつ詰めてみたけど、大丈夫そうだったから。  にこ、と笑って頬から手のひらが離れる。そこまで考えて距離を詰められてたのか、とみつるは内心驚く。 「みつる、やりたいことが見つからなくてもさ、やってみたいことはあるんじゃないの?」 「やってみたいこと?」  そうそう、と歌うように頷いたひかるが「うちの学部での勉強っていうのはさ、やりたいって思って、実際今やれてることじゃん」と言う。  流れが急だったのと、これまで考え付かなかったことに、みつるは返す言葉を探せなくなる。 「そうでしょ?」 「あ、……そうだね。そっか」 「だから授業とか勉強方面でもっと気合入れて頑張ってみるとかでもいいし……、一つはやりたいことクリアしてるんだから、今みつるが物足りないなって思ってるのを埋めるための何かって、そんなに大きい何かを見つけなくてもいい気がするんだけど……。まあ、みつるよりは楽観的な私の考えだけどね」 「いや、……すごく、……ありがとう」  みつるが感謝を零すと、ひかるは安心したようにまなじりを緩ませた。 「これはさらに楽観的だけど……、まだ何も決まってないってことは、これから何でも自由に決められるってことでしょ。体育会とサークルで両方から誘われて迷うって、――もし迷ってるならっていう例えばね。――私だったら迷える余地はみつるほどはないし。でもみつるにはそういう可能性がまだまだあるってことじゃない?」  そうか。それは確かにそうだ。  ひかるが言ってくれたことを、頭の中で反芻する。胸の中が何かでいっぱいになっていくのを感じる。  やってみたいことね、と呟く。 「ひかるの『やってみたいこと』は?」 「私の?」 「うん。聞きたい」 「えー、そうだなあ。色んなところに旅行に行きたい……海外行きたいな。そんで色んな写真撮りたいし、映像も撮りたい……」 「映像?」 「うん。あー、『やりたいこと』の話になるけど、私、どっちかっていうと写真より映像の方が本当の『やりたいこと』なんだ」 「そうなんだ」 「そうなんです。でも撮りたいのは人だから、中身的にはスポ新はすごく魅力的で楽しいんだけどね」 「へえー」  多分みつるがあまりにも尊敬、憧れ、の視線を送ってしまったので、ひかるはやめてと言うように顔の前で手を振った。 「照れる……。あ、待って、やってみたいことあったんだ。みつるに言おうと思ってたやつ」 「うん?」 「ねー、一緒に誕生日祝おうよ。真ん中バースデーってやつ」    *  やってみたいこと――。  月曜日のひかるとの会話以来、みつるはぼんやりとそれを考えるようになった。  思いついたことはiPhoneのメモに書き留めていく。  ・短期留学したい  ・なんかサークル入る? 何かしら所属するコミュニティが欲しい  ・本屋さんでバイトしてみたい それかなんか文章書くようなやつ  ・海外旅行したい ヨーロッパとか行きたい  ・ひかると大学以外のところに出かけたい  ・免許取りたい  ・一人暮らししたい  「やりたいこと」から一度ハードルを下げてみれば、いくらでもリストアップできることは思いついた。  これからできることがいくらでもあるようで、みつるは見つからないと思っていたのは何だったんだろう、と心が軽くなるのを感じる。  まだ決まってないってことは、これから何でも決められるってことだ。急に視界が開けた気分だった。  同時に、ひかるってすごい、という憧れや感謝や尊敬も募った。自分の心が軽くなるだけ、ひかるが果たしてくれた役割の重さを実感する。  ひかると出会えてよかったな、と思って、ここまで仲良くなれたのは色んな共通点があったからだから、それらを選んできた過去の自分たちを肯定できると思った。  そして、体育会に入っていたらきっと体育のハンドボールを取ることなんてなくて、もしかしたら友美のポジションでTAとして関わっていて、そこにひかるもいたかもしれないけれど、一緒にハンドすることはきっとなかったし、ここまで仲良くなることもなかっただろう。 「……誕プレどうしようかな」  真ん中バースデーやろうよ、というひかるの提案は、とはいってもまだ何をするのかは決めていないらしく、ただせっかく近い誕生日を一緒に祝おうという趣旨らしかった。  プレゼント交換しよ、ということだけは決まったから、何かしらを決めなければいけない。  二週間の間、ひかるのことばかり考えそうだ、とみつるは予感した。

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