S <また、恋をする>
第04話「放課後、ちょっと付き合ってくれないかな」

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「へっへ~」 「いや……あの……心魅このみさん?」 「なぁに?」 「なにって言うか……」  今現在、時計の針がさすのは十二時三十分。つまりお昼休みである。昼食タイム。学食に行く人あり、教室でお弁当orパンを広げる人あり。  その誰もが同性の相手を伴っていて異性と一緒に食べている人はパッと見、いない。上級生にはいるのだろうか? 「目立っていますが」 「目立つだろうねぇ」  パッと見、いない。オレと心魅さんを除いて。  休憩に入ると同時におもむろに机をひっつけてきたのである。 「こちらボッチなので」 「はぁ」  特異な色の髪と黒いトランプを堂々と愛用しているせいで人を寄せつけない存在になってしまった心魅さん。  一人で食べるのは淋しいだろう。それはわかる。なんとかしてあげたい気持ちにかられる。けどこれではまるで……まるで―― 「恋人みたいだね」  はっきり言われた。 「そこですよ問題は」  それも入学してすぐに恋人作っちゃった二人に見えているはずだ。手の早い男&女だと思われていなければ良いのだが。……ムリか。からかってくる人こそいないがひそひそ声が聞こえてきているしね。 「まあまあ。  心覇このはくん、お弁当派でしょ?」 「そうだけど……え、なんで知ってんの?」  昨日は入学式で午前授業だった。つまりお弁当を持ってきたのは今日が初なのだが。 「鼻の良い子がいるので」 「? どこに?」 「もうちょいと仲良くなったら教えたげる」 「仲良く……」  朝にも言われたな。 「あ、今エロいこと考えた」 「考えてないけど?」  少ししか。 「……まあ良いか」  覚悟を決めて、お弁当を出すオレ。  噂の一つ二つくらいかかってこい。 「ところで心覇くん」 「うん?」  俵型のおにぎりを食む。うん、冷えているけれど美味しい。あ、中身ツナマヨだ。嬉しい。 「放課後、ちょっと付き合ってくれないかな」 「……朝言っていた工芸家さんのご家族探し?」 「それもあるんだけど、ちょいとばかり力を貸してほしいの。わたし一人だとムリっぽいので」 「? なにすんの?」 「オバケ探し」 「オバケ」  はて、どっかで聞いたワード。あ、朝のテレビか。 「夜門市よどのしの?」 「あ、知ってるんだ?」 「朝ローカルテレビで観たから」 「そっか。夜門市ってわたしが住んでいるところなんだけどね? ちょっとオバケと関わりがありまして」 「え」  怪奇現象と関わりのある女の子。クラスメイト。  嘘か? 本当か? 「……オレをからかって――は、いないよね心魅さんの場合」 「お? 信じてくれるんだ」 「まあ、一応」  わずか二日の付き合いだが、悪い意味での嘘をついてまでからかってくる人ではない、と思う。 「わたしのカンが確かならね」 「うん」 「心覇くんにも繋がりがあると思うよ」 「オレとオバケ?」 「そ」 「……ふむ」  興味が……ないわけでも……ないが。 『行きなさい心覇。私も知りたいわ』 「……えと」 「聞こえたよ、わたしにも」 「この声にも関係ある?」 「あるよ」  ……それならば。 「わかった。付き合うよ」 「そうこなくては」

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