幻想地球系の旅人たち
【補遺】幻想地球系の神

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 幻想のわざを持ち、神秘の薄闇から手を差し伸べるもの。  まだ神話が日常と地続きであった時代には、直接かれらと触れ合うことも稀ではなかった。  だが今はもう彼我の間は遠く、我々はただ、長きにわたって『神』と呼ばれ、氏族や教徒といった集団から信仰を集める存在を、おそらく『神』なのだろう、と認識するのみだ。  真実『それ』が神の名に相応しい権能、神らしい伝説、といったものを有しているのかは、もう確かめる術もなくなって久しい。  神々は多い。  あらゆる場所、あらゆる時代、あらゆる信仰の場において、神は在った。  いわば、その時、その場で『祈り』を引き受けることのできた何かが、神、なのだろう。  それぞれの神をルーツとする氏族は今も、神の存在を抜きには語ることのできない、独自の文化を築き上げて生きている。はじまりに伝え聞いたはずの、神の名を忘れた者も多いが――信仰そのものを忘れ果てたものは、今もまだ、ひどく珍しいようだ。  神と氏族との関係のあり方はさまざまだが、いずれにしても、見えざる手となって姿を隠した、かれら神々は基本的に、己との関わりに連なる、連綿と続いてきた血脈が辿ってゆく道行きに、幸いあれと望んでいるようだ。

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