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「神父様の何を提供してるんやの?」 「何だって良いでしょう」 「良くないやの。ウチに健康被害があったら大変やから、きちんと原材料名を教えてほしいやの」 「うちの畑で栽培しているマンドラゴラです」  神父様のせーえきやと思ったのに、マンドラゴラやったやの。ショックやの……。変な期待してもうたやの。もしかしたら、マンドラゴラにせーえきをあげて……ないやの。そんなことしてたら、変態すぎるやの。どういうプレイしてるやの。ド変態神父って噂になってまうし、解雇されてまうやの。 「うちの人起きたよ」 「おはよぉ。いやぁ、おまえんとこのソファって寝心地最高だな! ソファくれよ!」 「嫌ですよ。お前だって家具支給されるでしょう」 「いやいや、おれはおまえのような司祭じゃねぇから家具支給されねぇんだよ」  どういう階級なんかわからへんけど、ダメンズエクソシストは神父様より階級が下っぽいやの。ダメンズやから昇進してへんのかも。もしくは、ピクシーがおるから、上がられへんところに位置づけされてるんかな? ウチにはどっちでも良い話やの。 「そういえば、二人には、この子どういう姿に見えるんですか?」 「あ、そっか。小焼は幻術効かないんだっけな」 「二人には効いてるやの?」 「正体がどんなのかってもはわかるけど、一応効いてっかなぁ」 「あたいにも効いてるのかねぇ。今は修道女の服着てるからわかんないけど、あんたってツノあるんだよね?」 「あるやの」 「おっ。急にツノが見えた!」 「じゃあ、あたいらは幻術にかかってるってことさね」 「で、どう見えるんですか?」  神父様の問いかけに二人は顔を見合わせてる。どう見えるかって聞かれたら答えるのが難しいと思うやの。ウチの幻術は理想の相手に見えるように、魅力的に見えるように、っていう術やから、性癖の暴露と一緒やの。 「体がちっこくて、おっぱいがぽよんぽよんしてる子だな」 「あたいにもそう見えるよ」 「幻術効いてるんですか?」 「へっ? 本当にそう見えるんだって」 「お前の好みは、胸がデカくて、つり目で、気の強い姉御肌のオンナでしょうが」 「そ、それはそうだけどさ! おれの性癖を勝手に暴露しねぇでくれよ! 恥ずかしいだろ!」 「へえ、あんたってそういうオンナが好きなんだねぇ」 「おはるさんもニヤニヤしねぇでくれよ!」  夏樹様の性癖なら、おはるさんが一致してると思うんやけど……。  ウチは言わんくてええかな……。なんか茶番を見せられてるだけやの。のろけに近いやの。ヒトのコイバナほど興味ないもんはないやの。 「ということは、けいの幻術はどうなってるんでしょうか」 「ウチ、幻術は得意やの」 「それは何回も聞きましたよ」 「おれらは聖職者だから、かかりが悪いのかもしれねぇぞ。町の人に聞いてみたらどうだ?」 「そうしてみましょうか」  そんなわけで、町に出て、突然の「この子どう思いますか?」って質問が始まったやの。お祈りの時間になったらこの変なアンケートも終わるはずやから、早くお祈りの時間になってほしいやの……。仕事中に何してるんやのこの神父様。 「皆、可愛くて良い子だねぇしか言わなかったですね」 「そりゃ、悪く言えねぇだろ」 「ふむ……。実際に可愛いと思うんですが、これは幻術なのか?」 「いや、それは幻術じゃなくて、おまえが好みなだけだろ。このサキュバスを」  周りにいた人がざわざわする。  何でこんなに人がいっぱいおるところでサキュバスなんて言うんやのこのおたんこなす! ダメンズエクソシスト!  大変やの。ウチがサキュバスってことが、町中の人に知られてもうたやの!

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