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 なんかフラフラするやの。やっぱり聖歌を聞くのもミサに参加するのも体に毒やったんやの。  お昼ご飯を貰えたけど、あんまり力が出えへん。幻術を使うのにも体力と魔力が必要やから、疲れてきたやの。ほんのちょびっとでもせーえきを貰えたら、回復できると思う。……無理そうやの。 「あんた、元気ないね?」 「そりゃずっと精力を奪えてないからやの。せーえきだって、搾り取れてないし……」 「エネルギー不足ってやつだね。だと言っても、うちの人は駄目だよ」 「別にダメンズエクソシストから貰おうなんて思ってないやの」 「ダメンズなんて言わないでくんな!」 「痛いっ!」  ピクシーのおはるさんに頬を抓られた。  触れられたからほんのちょっぴり回復した。やっぱり魔力は人間以外から吸収するほうが効率がええの。魔力回路のある血筋の人間はほんの一握り。そのほとんどが聖職者もしくは既に悪魔と契約してる人。  契約……。そうや、契約してるんやから、ウチは神父様から魔力供給してもらったらええんやの!  こういう時は名前を呼んでお願いしたほうがええの。 「小焼様。ウチ、そろそろ魔力が尽きて、幻術が解けてしまうやの。周りの人にサキュバスってバレてしまうやの」 「それは大変ですね」 「だから、魔力の供給をしてほしいの」 「では、先に教会に帰って掃除しておいてください」 「魔力の供給をしてほしいの」 「まず箒で埃を掃いた後に、モップがけをお願いします。大理石はやわらかい布で拭いてください。水拭きしたら乾拭きすることも忘れずに」 「小焼様、お願いやの」  このままやと掃除の説明で終わってしまう。そもそも、魔力が尽きそうやから、教会まで体がもてへんやの。何処かで聖職者に見つかった時点でアウトやの。 「ウチ、もう……力尽きてまうの。教会までもたへんの……」 「仕方ないですね」  神父様はごそごそポケットをあさって、何かをウチに差し出してきた。飴ちゃん? 「これで我慢してください」 「お腹が空いてるんやないの!」 「これ、貴女が欲しがっているものを固めて作ったものですよ。昨日知り合いの魔女に頼んだのですが、もうできたそうです。ウィッチクラフトってすごいですね」  ウチは包み紙を開く。ちょっと包み紙にべたついて張り付いてしもてる。  飴ちゃんを口に放り込む。甘い。とっても、甘い。げろげろな甘さやの。ちょっぴり元気になったやの。 「美味しいですか?」 「甘いやの」 「食べたら味の感想を教えて欲しいと言われていたので、後でメールしておきます。甘いだけですか?」 「甘すぎるやの。げろげろな甘さやの」 「ふむ。それは人間と魔女とサキュバスで味覚が異なる可能性がありますね。ちょっと味見させてください」 「んっ」  え。あれ? キス、されたやの? 神父様は自分の唇をペロリと舐めて、「甘すぎるな」って小声で言うてた。なんか、体がぽかぽかしてきたやの。エネルギー補給されたやの。疲れが一気にぶっとんだやの! 「顔色が良くなってきましたね。この飴、やばいハーブが入っているのでは……」 「そんなことないやの! この飴ちゃんのお陰で、ウチはエネルギー補給できたやの。だから、また新しい飴ちゃんを作ってもらうように魔女さんにお願いしてやの」 「そうしておきます。サキュバスに使えるとわかれば、魔除け代わりにもなりそうですし」  神父様、ウチにキスしたことになってるのは、自覚してないみたいやの。

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