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 行きと同じようにバイクに乗って帰る。  ずぅっとドキドキしたまんまやの。ドキドキで爆発してまいそうやの。ううん。物理的にも爆破されへんか心配になってきたやの。  神父様の後ろをぽてぽて歩いてついていく。お昼のお祈りとミサの時間やの。定期的にお祈りするの大変やの。熱心な人が教会に集まって来てる。見慣れた顔やの。  おじいさんおばあさんが仲睦まじくお祈りに参加して、神父様の難しいお話を聞いて、一緒に聖書のお勉強会して……って、してるやの。  ウチも一応参加してるふりしとかな。この人らには修道女に見えるんやから。  うーん。いまいち意味がわからへんやの。文字が読まれへんわけでもないし、書かれへんわけでもないけど、意味がわからへんやの。  神父様に質問するんもええけど、修道女って、教える側のはずやから、聞くタイミングがわからへん。あと、ウチが聖書の勉強してる意味もわからへん。神様なんてどうでもええの! 「それにしても、けいちゃんは可愛い子だねぇ」  急におばあさんが話だしたから驚いてしもた。可愛く見えてるだけやの。おばあさんには幻術がかかってるから、ウチが理想の女の子の姿に見えてるはずやの。  ウチのありのままの姿を見てくれてるんは、神父様だけやの。神父様だけが、幻術にかかってへん。魅了チャームも効果無しやの。でも、ウチの見た目が好きって言うてた。……もしかして、魔法なんて使わなくても、神父様は既にウチにメロメロになってるんやの? 「ウチ、可愛いなんて……」 「いやいや可愛いよぉ。こんな孫がいたら、あたしも嬉しいんだけどねぇ」 「神父様と並んでたらお似合いだぁ」 「……神父様は、神父様やから、ウチとお付き合いできへんやの」 「そうだねえ。神父様は真面目だからねぇ」 「真面目をひとのかたちにしたような人だものねえ」  こうなったら、おばあさん達をウチの味方にしたらええんかも。でも、おばあさんから精力を抜くわけにはいかへんし、もう干からびてるようなもんやから、出涸らしっぽいやの。  だからっておじいさんも同じやの。こちらもこちらで噛み終わったガムのようなものやの。  ウチはやっぱり、神父様から精力を奪いたいやの。せーえきを搾り取ってやりたいやの!  信徒の人なら、神父様のこと色々知ってるかもしれへん。今がチャンスやの! 「あの、神父様の両親って……」 「お母さんがダークエルフで、これがまたサキュバスに育てられたって噂よぉ」  サキュバスに育てられたダークエルフ? まさか、チェンジリング……? ややこしいやの。もう、ややこしくなってきてしもたやの。  神父様に魅了効果が無いんは、サキュバスの血を引いてるってことにしたら、わかるやの。もうよくわからへん。 「そこ、いつまで話しているつもりですか?」 「ごめんなさい」 「ごめんなさいやの」  神父様に叱られたので、おばあさんと一緒に落ち込む。  聖書の勉強会もしょんぼりしたまんま終わり、やっとお昼ごはんやの。  今日のお昼ごはんは……また白濁色の液体がテーブルに置かれてる。 「神父様。ウチに牛乳あげといたら良いと思ってへん?」 「半分思っています」 「むぅ。ウチもごはん食べたいやの」 「今作っているので、それでも飲んで待っててください」  仕方ないから待っといてあげるやの。  コップを両手で持って、白濁色の液体を口に含む。舌の上でじっくりねっとり味わってから、飲み下す。美味しいやの。今朝よりも濃厚やの。ヤギではなさそうやの。でも、牛乳でもなさそうやの。 「神父様、これ、何やの?」  神父様に声をかけたら、舌なめずりされた。そんでから体の側面をつーって、指でなぞって、ふとももの辺りで止まって、またコンロに向きなおした。  いったいどういう意味かさっぱりわからへんけど、なんか、えっちやの! 下手したら、ウチよりもえっちやの!

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