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「そもそもどうしてそれが欲しいんですか?」 「精力を吸い取って生活してるからやの。せーえきを貰ったら、元気になるんやの。あと、種族の繁栄にもなるんやの」 「……そういえば、サキュバスって孕まないらしいですね」 「そうやの。人間を孕ませるやの」 「迷惑行為はやめてください」 「ウチ、そんなことしてへんの」  そもそも、せーえきを持ってないんやから、孕ませることなんて不可能やの。想像妊娠ならさせられるかもしれへんけど、そんなことをするために女の夢に入り込みたくないやの。ウチは、活きの良い男の精力を抜き取りたいやの。 「まあ、お前は悪事をしていないので、ここに置いているわけですが、何かしたら即座に焼き払いますからね」  焼き払うって怖すぎるやの……。やっぱり花壇に肥料として撒かれてるんかもしれへん。この教会を襲撃した魔物は皆、肥料になってしまったんやの……。  そんで、畑ではマンドラゴラが元気良く成長してるやの……。マンドラゴラがはえてる教会っておかしいやの。悪魔教会と一緒やの。 「それで、小焼様はウチにせーえきくれへんの?」 「エサは与えないと言ってるでしょうが」 「牛乳はエサやないの?」 「エサですね。いえ、この不毛なやりとりをする必要は無いんです。夏樹ので我慢してください」 「これ、夏樹様のせーえきやったやの?」 「夏樹は医学知識があるので、似たようなものを作っただけですよ。主原料は卵白なので、たんぱく質と言う点では同じですね」  疑似せーえきやったやの! オトナの教育ビデオでよく使われるやつやの。ウチ、また、騙されたやの。でもでも、元気になったから、何かしらあるんかもしれへん。エクソシストの手作りやから、サキュバス避けとして使われるものなだけかもしれへんけど……。  これ、けっこう美味しかったから、これなら騙されてもええかも。けど、夏樹様が疲れて寝てるって意味がわからへん。 「夏樹様がどうして疲れてるん?」 「搾り取るのに疲れたからですよ。聖職者なので禁欲はできるんでしょうが、発散する時は我慢できなくなって、めちゃくちゃになってしまうわけですね」  これ、やっぱり、せーえきやない?  神父様が嘘を吐いてるようには見えへんけど……、表情がほとんど変わらへんから、嘘吐いててもわからへんような気がするやの。  むしろ、神父様は何をしたら表情が変わるんやの? ごはん食べてる時はちょっぴり嬉しそうに見えるんやけど、傍から見たら全く変わってないような気がするやの。 「で、お前にエサを与える時は、上の口が良いんですか? 下の口が良いんですか?」 「お口は上だけやの」 「下の口から涎を垂らしてるんじゃないですか?」 「そんなことないやの。お口は上だけやの!」 「……けいって男から精力搾り取ったことあるんですか?」 「あるやの! ウチ、この町に来る前は色んな男をメロメロにして、百戦錬磨やったやの」 「どうしてこの町に来たんですか?」 「縄張り争いで負けたんやの……」 「それはそれは」 「笑わんといてやのっ!」  神父様は口を手で押さえてた。こんなタイミングで笑うってひどいやの。嘲笑われてるやの! 馬鹿にされてるやの! ひどいやの! 「笑ってないですよ。それは、つらかったですね。お前は戦闘向きの悪魔ではないから、つらかったでしょう。これでも食べて元気出してください」  神父様はウチの手に飴ちゃんを握らせた。この前のと包み紙の色が変わってるやの。ウチは飴を口に放り込む。美味しいやの。 「美味しいやの」 「それは良かったです。私のを提供した甲斐がありました」  神父様、今、何て言うたやの? 私の何を提供してるんやの?

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