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 その後は、寝室に戻って、ウチはベッドに入る。ぽすんっ、と体がふかふかのベッドに埋まる。お日様の香りがするやの。いつ干してたか全くわからへんけど、良い香りがするやの。神父様はお布団で寝るんかなぁって思って、見てたら、クローゼットから何かを取り出して、ドンッ、とウチに乗っかった。 「ウチとしたくなったやの?」 「いえ。貴女が余計なことをしないようにするだけですよ」  ガチャンッ! って、音と共に手首の熱が奪われていく。なんかひんやりした金属やの。万歳したような格好のまま、ウチはベッドに拘束された。あれ? 「あ、あのー、神父様、ウチ、これやと寝返りもうたれへんやの」 「別に必要ないでしょう。昨日だって素巻きにされていましたし、一昨日は縄でぐるぐる巻きにされていたんですから」 「何もしやんから、手錠はやめてやの」 「本当にしませんか?」 「しないやの!」 「それなら……」  手錠を外してもらえた。ふふふ、甘いやの。これでウチは神父様が寝付いた瞬間に夢にお邪魔して、あんなことやこんなことやムフフなことをしてやるやの!  そう思ったのも一瞬やった。神父様はウチの足をロープで隅に括り付けてた。 「足も嫌やの! 何もしやんから、拘束するのはやめてやの!」 「悪魔の言うことなんて信じられませんよ」 「そんなことないやの! 約束は守るやの。悪魔は契約したことは絶対に守るやの! それはサキュバスでも一緒やの!」 「そうですか。では、貴女がこれまでに口にした牛乳分の契約延長も守ってくれますね」 「え」 「私は言いましたよ。貴女には、牛乳分働いてもらうと」 「それって、さっきのホットミルクも入ってるやの?」 「当然でしょう。ちなみに飴の分もカウントしています」  屁理屈やの。悪魔よりもひどい契約やの。これが企業なら、超ブラックって言われても文句言われへんの。超ブラックのパワハラセクハラ企業やの! 「それじゃあ、もう牛乳は飲まへんの!」 「わかりました。エネルギー切れで苦しんでいても私は神の教えに従い、悪魔を祓いましょう」 「……やっぱり、救ってやの。慈悲をくださいやの」 「承知しました。貴女の罪を私が許しましょう」  ウチ、懺悔した人のような扱いをされた気がするんやけど、そもそも悪魔やから、懺悔なんて必要ないやの。神に許されても意味ないやの。  神父様は手錠と縄をベッドサイドに置く。ウチを拘束するんはやめてくれたんかな?  突然手が伸びてきて、ほっぺたをぷにぷにされた。 「何してるんやの」 「けいの頬は大福のようにやわらかいですね。すべすべしているので、手触りも良いです」 「他のところもやわらかくてすべすべで触り心地が良いから、触っても良いやの」 「それは遠慮しておきます」  そうっと離れられた。突然こんなことをしてくるから、この神父様は本当に何をしてくるかわからへん。行動が読まれへんってこういうことを言うんかもしれへんやの。  ウチから触ってみるんはどうやろ? 抱き着こうとしたら、ツノを掴まれて、ポイッてされた。扱いが雑やの! 「何でやの!?」 「私は触るのは良いですが、触られるのは嫌いなんです」 「それなら、触ってやの」 「サキュバスを触ったら精力を吸い取られるんでしょう?」 「それはそうやの。エネルギー充電させて欲しいやの」 「……絶対に何もしないと約束できるなら、添い寝してあげても良いです。ただし、夢の中に入ろうとしたり、私に触れようとするならば、縄でぐるぐる巻きにして、そこの窓から逆さ吊りにしてやります」 「何もしないって約束するやの!」  これは絶好のチャンス! 上手く騙せば、神父様をメロメロにできるやの!

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