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真偉の夢占い・わがまま少女1

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 5月の連休、何処かへ出かける約束も用事もない真偉は、庭の木々をながめてボンヤリ、のんびり暮らしていた。 桜の老木は、満開で素晴しかった。 時折、風に花が舞う、それは、言葉では表せない美しさ、はかなさを感じた。 祖母の景偉は、真偉の隣に坐り、、 「嬉しいね、我が家は、梅も桜も満開だよ、、、。 」 景偉の口癖。 花見に出掛ける必要ない、家の庭に、こんな立派な桜も梅もあるんだから。 広い庭。 8本の木の他は、芝生にしている。 その配置は、庭を余計に広く感じさせ。 祖父のアイデアだったらしいが、手入れが楽、子供が遊んでも危険がない、等々。 200坪の庭は、実際より広く感じる。 手狭なマンション暮らしの人は、居間から庭を眺めて、大概は、圧倒されるようだった。 祖父の無駄を嫌い、素朴であることを第一とする考え方は、その庭を見ると、理解できるだろう。 父も四国から戻り、出張から戻った兄もいて、家族6人全員が揃った本郷家は、いつにも増して賑やかだった。 兄の友人が次々と訪ねてくることもあるが、 父がいると、母は、心なしか、楽しそうにしているからに違いなかった。 真偉の母の真知子は仕事にしても、生き方にしても、あくまでもマイペースでやり手と云われる女性、しかし、夫といると、普通に愛らしい女になってしまう。 そこは、未婚の真偉には、不思議と感じるところなのだが。  真知子のその啓吾に対する、純真な気持ちが、ずっと別れ別れに暮らしていても仲良し夫婦でいる所以なのだろうが。 そんな折、子供の日の前日、午前中に来客が。  初老の紳士で、兄の客らしいが。 朝から、ひっそりと雨が降っていて、空が暗く、どしゃ降りの雨になると桜の花が散ってしまうと、何気なく庭を囲む縁側に立って空を見上げていた真偉だった。 客の紳士は、兄の大学時代の先生らしく。 母に日本茶を淹れて運ぶように言われ、居間の隣の隣になる応接間に盆に蓋付きのご飯茶碗型の湯飲みをのせて。 兄は、丁度良かったと言い、真偉に頼みたい事があると言う。 お世話になった先生だと紹介。 「 真偉さんですか? どうしても、貴女にお願いしたいと思いまして、、お休みのところ、、申し訳ない、、。」 髪は綺麗な白髪で艶があり、清潔な感じの人だった。 目の光が優しく、理系の大学教授に有りがちの、己だけを信じようとする、ある、冷たさの、言葉を変えると、怜悧さが、感じられない。 優しさや、人間らしい苦悩が前面に出ている人だと、真偉は感じた。 どのような事だろうか。 島峰と名乗った紳士の心を精神を集中して、見てみる。 小さな女の子、食べ物の好ききらいが激しく、ごみ箱に捨てるのではなく、気に入らないと、部屋にポンと投げつける、 「いらない!」 「嫌い!」 「大キライ!」 靴を、左右反対に履く、、紳士が食事を作っている、、エプロンをつけて、、炊飯器のスイッチを、その女の子は切る、、ノートはマジックで塗りつぶし、、 真偉は恐くなる なんという、ひどい子、、紳士は悩み、心では泣いている 。 理由は何? 「実は、孫のことでして。 昨年、私は大学を退職しました。 長い間、研究生活一筋でしたから、これからは、少し、妻と旅行でもと考えていましたが、 妻は昨年末に、亡くなりました。 私には病気の事を隠していたようでした。 家庭を妻に任せっきりで、苦労ばかり、妻には、すまないと、そればかり思って、苦しんでおりましたが。 そんな折、重なるもので、一人娘が、ドイツに仕事で行っていまして、そこで、車の事故で、亡くなりました。 東京に住んでいましたが、女の子が1人、残され、娘の旦那さんは、、仕事が忙しく、、彼は、札幌出身なので、子育てには札幌は最適と考えていまして、 私が妻を亡くし、退職もして、自由の身なので、、預かってほしいと。 たった1人の孫です。 年に何度か札幌にも来ていて、私になついていましたから、簡単な気持ちで、孫を、、現在は小学校の3年です、、。 8才です、、。 預かる事にしたのですが。 さっぱり、私には理解できません、反抗とも違い。 ワガママなのか。 4月から、こちらの小学校に通い始めまして、 それが、学校では、一言も話さないようです。 担任の先生も困っているようでして。 一応、普通にランドセルを背負って学校には行きますが、給食も殆ど食べないようです。 小さい子ですが、父親の話では、東京では、問題がなかったようでして、、。 」         🥀

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