完成書類
第一話・完結

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10日前。 とある役所から依頼されていた仕事が完成したので、作業前と完成後の写真を整理し、写真帳に作り上げた。 写真帳と言っても、今は「写真」としてのプリントアウトはしない。 PC上でコピペして作っていくからずいぶん楽になった。   完成報告書と請求書、そして昨今うるさくなった○○対策(はっきりとは言えないが、当局と逆の立場にいる方々だ)の誓約書などなど、そこそこの枚数の書類を作り上げた。 他にも仕事をかかえていたので、ちょっと急ぎめに作った。 一応、確認のためにコピーを取って原本を郵送した。 手渡しでもいいのだが、用事が立て込んでいたので郵送を選んだのだ。   4日前。 書類内容に不備はないのだが、押印するべきところに押し忘れがあるとの電話を受けた。 書類を作るときは押印したのを確認しながら作業を進めるのだが、どうもバタバタしていて、確認ミスしたらしい。 時間に余裕がある日だったので、午後から印鑑を持って伺う旨を伝えた。   すると今日は、担当が用事で午後は不在という。 そこそこ急ぐ書類でもあったため、誰か代理の人に押印する場所を指定して託しておいてくれと依頼した。 そして午後から訪問し、付箋が貼りつけられた箇所に押印した。 代理の人が再確認し、書類渡しは終わった。   はずだった。   今朝、あさイチで電話がかかった。 もう一か所、押してもらう場所があったと。 複数箇所、押し忘れてたこちらも悪いが・・・ どうも今日見つかったところは、彼も見落としていたらしい。 もちろん代理で確認した人も。 仕方がないので再度押しに行く旨を伝えようとした時、電話の向こうで彼が言った。     「この仕事、完成してるんですよね?」 終

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