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『最後までがんばる』という言葉を、暁翔は胸中で噛みしめた。俺もがんばろう、と素直に思える。雅と一緒に、前へ進もうと。 「テレビには雅が仕込んだ料理が映るんだろ? 誰も気づかなくても、俺は見てるよ。応援してるからな。それで終わったらこの家で、二人で打ち上げしよう」  雅の目許が赤くなった。 「ほんとに? 打ち上げをしてもらえるなんて嬉しい。ほんとに、ありがとね」  雅は布団を頭から被り、背中を丸めた。  鼻をすする音が聞こえたので、暁翔は何も言わず、雅の頭を優しく撫でてから眠りについた。  このまま余計なことは考えず、友達でいればいい。  それが平和で健全。  でも……。  友達としか思われていないことに、少なからずショックを受けている自分がいる。  細い体を抱き締めた感触がまだ、腕の中に残っていた。男の体だったけれど、嫌悪感は一切なかった。むしろ、煩悩に支配されそうになった。  胸が重苦しい。  モヤモヤが深まっていく。

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